交渉業務をやったことがないバイヤーは殆どいないでしょう。しかし交渉の進め方について社内に何らかのマニュアルがある、とか研修を受講したことがあるバイヤーは意外と少ないのが 実態です。 それでは交渉の基本とはどういうものなのでしょうか?
交渉力で重要なのは「創造的交渉」。「創造的交渉」とは交渉者両者が、お互いの本質的なニーズを把握し、それを埋めるための創造的な代替案を協働作業で見つけていく、という
ものです。
調達購買交渉の多くは長期の取引を前提としたものになります。
その場限りでの交渉ではありません。例えば喧嘩別れのように将来に禍根を残すことも避けなければなりませんし、また、ある案件では交渉相手のサプライヤが失注するケースもあります。
その場合も何故競合で失注したのかを、きちんと説明し、次回以降のコンペに備えてもらうことが必要です。「創造的交渉」の条件はお互いのニーズを把握することです。そしてニーズを満たしていればどんなに多く譲歩していても交渉に負けることにはなりません。しかしお互いのニーズは交渉を重ねるうちに変わっていくこともよくあります。これは価格決定などの基準が変わるからです。
このような場合には、お互いのニーズを討議・確認し、適正な基準を見出すこと、多くの交渉項目と代替案を協働で創出することで、お互いの基準を満たす必要があります。
交渉の基本はこのようにニーズを満たすためのお互いの基準を摺合せすることなのです。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。