今、シニア世代の求人が好調だという。40歳代、50歳代のビジネスパーソンの転職市場も活況を示しているらしい。老後の資金不足と関係はあるのか。
60歳以下のビジネスパーソンは、さらに厳しい状況にある。企業によっては、50歳代の余剰人員が企業の収益を圧迫しているという意見もよく聞く。大手企業では、中高年、いわゆる団塊ジュニア層のリストラを始めている企業があるという。
こうした状況は、将来に対する不安ばかりをあおり、65歳を過ぎても働きたいと考えざるを得ない状況となっている。
広がるビジネススキル格差
この格差の拡大は、同時にビジネスパーソンのスキルにおいてもいえるのではないか。これまでは、終身雇用が機能していたため、トップに上り詰めるような人は別にして、さほどの競争意識を持たなくとも、そこそこの給与と退職金が待っていたため、大半の人は同じようなビジネススキルだったのではないか。
しかし、現在、60歳の時点でのスキルの差は、明らかに大きくなっている。市場における競争に加えて、企業内での競争も、非常に激しくなっている。競争に敗れた人はポストもなければ、場合によってはリストラ対象となってしまう。
現在多くの企業では、50歳代後半で役職定年となり、給与も減少する。大手企業で、高額な退職金と企業年金が整備されている企業であれば問題ないが、7割以上いるといわれる中小企業、小規模企業においては、そうした制度はほとんどなく、60歳時点でのビジネススキルによって、その後の収入には大きな差が生まれる。
とはいえ、聡明で元気な60歳代は確実に増加している、特にエンジニアやプログラマーといった専門的な技術を持つ人材は引く手あまただ。
また、現在大きな課題になっているのが、中小企業の事業承継問題だ。日本の企業数は、相当数減少しているが、その原因のひとつは、承継問題、つまり、企業を引き継ぐ人がいないことだ。誰にでもできる仕事ではないが、経営の視点と手腕を持つ人材は、多くの企業が欲しがる。
そして、これからの市場の中心はシニア世代になっていくことは間違いのないことだ。重要なポイントは、シニア市場を制するためには、シニアのニーズが分からなければならない。
シニア向けの商品やサービスの開発はどの企業においても必須であり、これからの重要なポイントになるのは間違いないことだ。
現在、50歳代の人たちは実際に60歳になってからでは遅い。今のうちから、将来にわかって仕事ができる状況を自ら作り出していくことが必要だ。
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