ソニーのDNAのひとつとして繰り返し言われた「いつも明るい気持ちでいること」=「ネアカ」は、「運」を引き寄せる力を持っています。
明るい人と一緒にいると楽しく、元気が出てきます。
人が集まってきます。一緒に仕事をしたいと思います。
「運」も一緒に集まってきます。
辛いこと、嫌なこと、面白くないことがあると、ついつい
不愉快な顔をしたり、暗い顔をしたりしてしまいます。
でもこれって本人が辛いだけでなく、そのオーラは周りの人も
辛く思わず避けてしまいます。
すると本人はますます落ち込む、面白くない、暗くなる、と
マイナスのスパイラルに入り込んでしまいます。
以前よく利用していた朝のバスにいつも不機嫌な運転手さんがいました。
乗客が「○○へ行きますか」などと聞こうものなら、
1拍おいて、とても不機嫌そうに「行きませんね」
乗客は次の質問「じゃあ、どのバスに乗ればいい?」は飲み込んで
仕方なくバスを降りていきます。
(もちろん「行きます」の時もとても不機嫌なのですが。)
そんなバスの中には、何とも言えない居心地の悪い空気が漂います。
これは彼が人とのコミュニケーションを拒絶する作戦なのかも
知れませんが、これでは毎日面白くないんだろうなぁ、と
人ごとながら心配になってしまいます。
そして、その運転手さんのバスに「当たって」しまった時には、
「あ、今日は運が悪い」とあきらめるか、
時間に余裕がある時は次のバスを待っていました。
反対に、ある私鉄の乗換え駅の駅頭で近くのお店の制服を着て
ティッシュペーパーを配っていた女性のこともよく思い出します。
その場所では前からこのお店が同じようにティッシュペーパーを
配っていましたが、無言で差し出されるティッシュペーパーを
受け取る人は極めて稀で、そこで配っていることすら気づかない人も
大勢いるような状況でした。
ある日担当が替わりました。それはそれは感じの良い女性で
「おはようございます」
「行ってらっしゃいませ」
「ありがとうございます」
ひとりひとりに声をかけるのですね。
とても感じが良いので、彼女の前を通ると誰一人拒否せず、
自然に受け取っていました。
そればかりか毎朝ほとんど通るのは同じ人たちですから、
受け取る方も
「おはよう」
「寒いね」
「いつも元気だね」
と挨拶をするようになっていました。
殺伐としがちな朝の空気がとても和やかになりました。
これなら毎朝決められた数量のティッシュ配りも短時間で
終えることができるでしょう。
この女性、数ヶ月続けていたでしょうか。
担当が替わり、別の人が立つようになった途端、
また以前の無愛想な雰囲気が戻ってきました。
ティッシュを受け取る人もまばら、ますます不貞腐れて差し出される
ティッシュは無視されるばかり。
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