私がまだ小学生の頃、ルネというソプラノのきれいな歌声をもつ少年が「8時だよ!全員集合」にでていました。あるとき、パタッと見かけなくなったと思えば、今から10数年前に「あのソプラノの少年は今?!」というバラエティ番組に、昔の面影がまったくない30代のルネさんが登場していました。
私のかわいい甥っ子たちもいまや高校生。
決しておばさんと言わせない私に、
彼らは今でも「理恵ちゃん」コール。
だけど、小学生の頃のかわいらしい「理恵ちゃん」コールはいまやなく、
「理恵じゃん」と聴こえてしまう低い声。
思春期に男性は変声期を向かえ、聴覚情報においてはまったく違う印象を醸し出します。
一方、顔はというと、女性は大学生ぐらいでかなり大人びてくるにもかかわらず、男性は幼さを残しているのが一般的。
新入社員研修を毎年請け負っていますが、男性は本当に子どものようにかわいらしい。
そして、やっと40代を迎えるあたりで大人の男性の顔に変わっていきます。
ズンドコ節の氷川君がどんな40代を迎えるのか、楽しみで仕方ありません。
さて、大変身への世界に飛び込むことになったHさん。
2回目の来社は、おひとりでいらっしゃいました。
Hさんは、応接室で坐るやいなや、
「唐澤さん。実は、変身をする当初の目的は辞退しました」と告げ、続けて
「ただ、変身は面白そうなので、やってみます。家内も奨めてますし・・・」とのこと。
明るい性格のHさんは、知らない世界(?)に飛び込むことにためらいはなく、ビジネスのためではなく、「お楽しみ」としてパーソナルデザインを受けることになったのです。
結果、条件の枠がなくなり、とことんやってやろうというプロ魂に燃えたのでした。
そして、基本となる顔の印象分析からスタートです。
以前の記事「職業で顔は変わる???」にも書いたように、私たちの顔は親からもらった造作と、経験による日々の表情によってつくられた顔つきが交じり合いながら、今の顔が出来上がっています。
初対面で真っ先に顔をみるように、顔は相手を知る大きな情報源なのです。
まずは、自分の顔がどんな情報を相手に与えているのかを知ること。
それが、パーソナルデザインの基本です。
さて、Hさんのお顔はどんな印象を放っているのでしょうか。
お顔全体の骨格はしっかりしており、お鼻も高く、小鼻もはっています。
唇も厚めで、口も平均より大きめのHさんはソフトかハードのどちらかといえば、ハードです。
まるで柴犬のような人懐こい目元は、誠実で温かい印象です。
眉は三角の山を描いており、はつらつとした明るい印象を醸し出します。
以上が顔本来の印象ですが、長年の環境のせいか、メガネと髪型、服装に堅くて地味なベールを覆っています。
つまり、本来の明るさや社交的な個性が押し殺されているのです。
Hさんは、59歳。そして、マンモス企業の役員です。
個性に合わせた髪型、メガネ、服装によって10歳以上若く見えるはずです。
お顔の分析を終えたところで、
「仕事柄、若く見えすぎて問題はないですか?」とお尋ねすると、
「素人がヘタに口出ししない方がいいでしょう。とことんやってください。まな板の鯉です」
と潔くおっしゃいました。
まな板の鯉。
いつもながら、この言葉を聞くと武者震いする私でした。(つづく)
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2007.05.18
2007.05.21
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役
「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。