今週に入り世界的に主要国の金利低下の動きが激しくなりました。各国中央銀行当局者が揃って景気後退のリスクがあるとの文言を頻繁に使うように思います。 一般的には、金利低下は安全志向のリスク回避の動きとして債券市場・金利市場に資金が流れ込むと解釈されます。今回のレポートでは、日米欧、そしてオセアニア諸国の債券、金利の動きを検証してみたいと思います。
オセアニア諸国:世界的な景気後退に同調
昨年まで先進国では唯一高金利利回りを示していたオセアニア諸国でも、豪連邦債10年1.75%、そして前回紹介したニュージーランド国債10年1.80%をこちらも利回り低下の動きを示しています。
RBNZ(ニュージーランド準備銀行)は、今週の金融政策委員会での声明文で、世界的な景気後退局面を懸念して、次の金利動向は引き下げの可能性が高いと述べ、市場にショックを与えました。
まとめ
今年は年初から米中貿易摩擦懸念とBrexit問題がテーマであると、投資家の脳裏には焼き付いてしまっているようです。
そして先進各国中央銀行が揃って景気の後退を懸念し、利上げというこれまでの考えを一旦懐にしまい、現状の量的緩和政策の継続、そして利下げというカードを次の一手として考える状況に変化してきています。
上記懸念材料が解決方向に向かい、そして不透明な霧が晴れることを期待したいところです。懸念材料が市場にある限り、金利低下は続き、投資家はディフェンシブな投資姿勢を続けることになります。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26