文化放送The News Masters TOKYO『マスターズインタビュー』。 今回は、ピップエレキバンなどで知られるピップ株式会社の松浦由治社長。 松浦社長は1958年、東京生まれ。早稲田大学を卒業後、医薬品の卸売を行う「三星堂」を経て、ピップフジモト(現在の前身)に入社。東西の事業会社が合併したピップで2010年、副社長に就任し、去年から社長を務めている。 その胸に秘めたる思い、リーダーシップ、ビジョンとは!?文化放送『The News Masters TOKYO』のパーソナリティ・タケ小山が迫った。
会社をこう変えたい!
いわゆる創業家の出身である松浦社長。「大学2年生くらいまでは後を継ぎたくないと反発していた」と当時を語った。
大学3年の時に家業を継ぐ決心をしたものの、いきなりピップフジモトに入社するのではなく、別の会社で修業することに。医薬品の卸を行う三星堂(当時)で、4年の間、物流や営業、人事を経験する。
その修業時代に、社長が交代することがあった。新社長が全支店を回るということがあり、当時の松浦青年の心は高揚した。この経験から、経営者になった際には「現場で社員と話したい」と思い描いたという。
タケ:
現在の会社で、ここは、変えたいと思ったことは?
松浦:
社員は安定を望むあまり、新しいことにチャレンジすることが恐い点です。
それに対して、まずは気持ちから変えていく方針を定める。そもそもピップのDNAは…。
1)他がやらないことをやりましょう
2)どこよりも早くやりましょう
3)お客様、お得意様を大事にしましょう
この3つがある。社員は安定を望んでしまう反面、もっと新しい挑戦をしたいと変化を求めてもおり、これに関しては、「少しずつ変わっていくかなと期待している面でもある」という。
新たなターゲット
1972年に発売されたエレキバンは、CMも話題となり、ヒット商品となる。しかし、そこには課題もあったのだが、その課題とは、「年配の方がお使いになるけど、20~40代の利用が上がりませんでした」。
抜群の商品知名度は誇るものの、どうしても年配者のイメージがついているのも事実。そこで、産前産後の女性にターゲットを変えることに。
産前産後の女性と言えば、体調や環境の変化で、身体も痛めるし肩も凝る人が多い。そこで医薬品ではなく、磁石で、母体へも赤ちゃんにも影響もなく安心して使えるエレキバンをプッシュした。
去年の春から「エレキバンfor mama」として、ベビー専門店や、ドラッグストアのベビーコーナーに置いたところ、「少しずつ数字が上がってきていると思う」と社長も手応えを覗かせる。
そして、もうひとつ。ターゲットの見直しを図ったのがマグネループという磁気ネックレス。3年前くらいからスマホの利用で首が凝ると言われており、それを「スマホッ首」と命名した。
稲川淳二さんを起用したユニークなCMを流したところ、そのCMの前後で倍くらい売り上げが変わったそうだ。さらにこのスマホッ首対策として「マグネネック」という商品も製造。肩こりの中でも首に絞ることで、男女ともにオフィスワーカーの方が反応した。
こうして新たなターゲットの開拓に成功したわけだが、若い人にもターゲットを広げることは、社内ではネガティブな意見もあり、なかなか実現しなかった。しかし、「やってみなきゃわかんないし、ダメならやめればいい。やらないと結果も出てこない」と松浦社長は語る。
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