昨年12月に入国管理法の改正が決まりました。 新たに特定技能資格制度というものがスタートします。 しかし歴史的に見てみると似たような仕組みは昔から受け継がれているのです。 それは何でしょうか。
昨年12月に入国管理法が改正されました。
この法案は外国人に対する在留資格にさらに2つの資格を新設するものです。特定技能1号、特定技能2号資格を外国人労働者に付与することで「一定の知識や技能」「熟練した技能」を持っている外国人の在留を認めるという内容になります。
一方で日本には247万人の在留外国人がおり厚労省の調査によると約128万人の外国人が既に働いています(2017年10月時点)128万人の内訳としては、日系人や日本に永住権を持つ「身分に基づく在留資格」を持つ人が35.9%、「資格外活動」という本来の在留目的である活動以外に就労活動を行う留学生のアルバイト等が全体の20.3%、「技能実習」が20.2%です。
「技能実習制度」と「特定技能資格」を混同してはいけませんが、実際には「技能実習制度」と言いつつ通常の労働力として働いているのが実態なので、ある程度技能を持っている外国人
は(実質的に)10年間は働いていいですよ、というのが今回の入管法改正による労働力補完が狙いと言えるでしょう。
一方で一部のマスコミでは法改正があっても外国人労働者は日本よりも韓国を選ぶ、というような指摘もしています。これは韓国の制度が外国人労働者にとってメリットかあるからのようです。このようにいくら政策を変更しても労働者にとって魅力的な国にならない限り日本で働く外国人は増えない、的な指摘をしようと思っていました。
一方で以前、日本企業が中国他の新興国の企業に比べてよい購入条件が出せず調達することが難しい状況、いわゆる買い負けが起きたことがありました。これらのことから、日本企業は「買い負け」だけでなく「雇い負け」もしている状況のようです。
しかし、色々と調べてみるとどうもそういう単純なことではないように感じてきました。確かに日本と韓国の技能実習制度は違います。例えば日本では就労先を変えることはできません
が、韓国では変更することができます。また韓国は基本的には国が企業を仲介するのに対し、日本は民間が仲介し中には悪質なブローカーも多いようです。もともと実習という位置づけで
あるからやむを得ないとも考えられますが、転職を許していないというのは基本的人権が侵害されているとしか思えません。
しかし、実態としては製造業の工場は技能実習生で、またコンビニなどのサービス業では日本語学校等の留学生のアルバイト(週28時間までの制限で)の方が働いており日本企業の労働力の担い手になっていることは間違いないでしょう。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。