文化放送「The News Masters TOKYO」のマスターズインタビュー。 即戦力になるプロフェッショナル人材に特化した人材紹介事業を担う株式会社みらいワークス。 それを率いるベンチャー経営者・岡本祥治さんの心の内に、タケ小山が切り込んだ。
東証マザーズ上場の敏腕経営者の暗中模索時代
岡本さんが外資系のコンサルティング会社を辞めて起業したのは、リーマンショックの前の年、初めて会社を経営するには、あまりにも過酷な環境だった。
「景気がどん底でした。当時は大変でしたが、振り返ると自分のキャリアにとってはいいタイミングだったと思います。それ以来、ずっと上り坂ですから。
新卒で入った会社では、コンサルティング業務を担当していました。会社を辞めてからも数年はフリーのコンサルタントとして資金を作っては、新規事業につぎ込むようなことを繰り返していました。うまくいきませんでしたね」
そもそも、会社勤めを辞めて事業を志したのは、旅が発端だった。
新卒で就職したが、自分が何をしたいのかよくわからず、30歳を機に47都道府県を全部旅してみることにした。日本人として日本のことをもっと知りたいと思ったのだ。
「日本の田舎に行ってみると、地方は元気がない。県庁所在地の商店街もシャッター街になっていて、国道沿の量販店だけが賑わっていることに気がつきました。欧米流の開発だけだと、日本各地のいいものがなくなってしまう。日本らしいやり方で発展できないものか。この頃から日本を変えたいと思い、『日本を元気にする』という事業テーマを持ちました」
敬遠されていたフリーランス人材と大企業をつなぐインフラをビジネスに
岡本さんは営業が得意だったことから、独立してもコンサルタントの仕事には困らなかった。
しかし、周囲のフリーランスの人たちに十分な仕事が回っているとは限らない。リーマンショックの傷が癒えない環境で、実力があっても売り込み営業が得意ではない人もいた。
「仕事がない人に自分がとってきた仕事を譲ることが増えてきたんです。そうしたら、感謝され、自分がプロとしてサービスを提供するよりも、人に仕事を回して『ありがとう、助かったよ』と言われるほうがうれしいことに気が付きました。誰かにチャンスを提供することが、性に合っているんですね。
ただ『ありがとう』と言われたくて走り出してしまったのですが、フリーランス人材に仕事を紹介するうちに、独立起業する人たちには、地方創生とか、中小ベンチャーの振興など、共通したテーマがあり、自分のビジネスで『日本を元気にしたい』という志があることに気がつきました。次第に彼らに志を託して、応援することが、自分の仕事なのではないか、と思うようになりました」
最初の起業から5年。人材紹介ビジネスが軌道にのると、プロフェッショナル人材専門のビジネスマッチング会社「みらいワークス」として新しい会社をスタート。
起業家やフリーランスが活躍できるインフラを構築することで、日本が元気になる、地方も活気づく、ということが事業構想だった。「プロ人材」は働き方改革で注目されているが、岡本さんはどう考えているのだろうか。
「プロ人材というのは、簡単に言うと、組織にいても、個人事業者であっても、同じような働き方をしている方を指します。時間ではなく成果にコミットする。指示待ちではなく、目的をもって、自発的にミッション達成を実現する能力がある働き手です」
安倍政権の「働き方改革」は、こうした事業には追い風なのだろうか、タケは率直に聞いてみた。
「働き方改革で、スキルが高い人は働きやすくなります。年俸で1000万円以上を稼げる方は、働き方や場を選択できれば、いい影響があると思います。まずい方向に進む可能性もありますが、まず変化を起こしてみることです。
日本のフリーランス市場の現状は過渡期ですが、3~4年前に比べたら、よくなっています。数年前、大企業に営業に行くと、フリーランスは地に足がつかないと信用がなく敬遠されていましたが、今は変化しています。安倍政権の働き方改革で、フリーランスという働き方が国策化したので、温度感も変わってきました」
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