PC業界の不振が叫ばれて久しい。かつて、「PC is dead」という言葉が出回るなど、すでに終わったとみる専門家は多かった。ところが、何十年かぶりに明るい話題が出ている。それはゲーミングPC市場だ。
盛り上がる「eスポーツ」
「eスポーツ」は、一般社団法人「日本eスポーツ連合(JeSU)」も設立され、もはや完全に市民権を得ている。eスポーツといってもほかのゲームと何が違うのか、ゲームではなくスポーツなのか、という疑問も湧くが、この団体によれば、「eスポーツ」として公認されるには、以下の条件をクリアする必要があるようだ。
eスポーツ公認条件
1. ゲーム内容に競技性が含まれること(競技性)。
2. ゲームとして3か月以上の運営・販売実績があること(稼働実績)。
3. 今後もeスポーツとして大会を運営する予定があること(大会の継続)。
4. e スポーツとしての大会の興行性が認められること(興行性)。
12月16日には、千葉市でeスポーツの世界大会が開催され、なんと優勝した選手は、賞金約1億1千万円を手にしたという。もちろん、これまででの国内最高賞金額であり、これからも人気は高まる一方だろう。
こうしたイベント性の高まりを背景に、SteamのようなPCゲーム配信のプラットフォーマーが日本にも進出し、日本語でできるゲームタイトルも増えてきた。当然新しいゲームはグラフィックもプログラムも高度化しているため、PCが中心になってきており、端末の選択もゲーミングPCが主体となっていくことだろう。
逆に言えば、ゲームによってデバイスを選択するような世界が進むということは、マルチプラットフォーム化が進み、状況によってはスマホであったり、ゲーム端末であったり、PCであったりと、同じゲームを様々な端末で遊ぶ世界になる。
こうした概念は、PC環境では当たり前の世界であり、PCが中心になれば、ますますマルチプラットフォーム化進展し、ゲーム市場の拡大には大きく寄与するだろう。
だから、最初は手軽な端末でeスポーツに触れ、同じプラットフォーム上にある、より高度なゲームに参加する、という流れもできてくるのだろう。
さらに、プレイヤーだけではなく、観戦者も含めたコミュニティが発展していけば、また独自のネットワークがつくられることになり、より一層のすそ野の拡大につながっていくとみられる。
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