Brexit、つまり英国のEU(欧州連合)からの経済的離脱について、英国内で暗雲が漂い始めています。 英国は、来年3月29日がEUから離脱する期限となっており、その前に、離脱条件に「合意あり」なのか「合意なし」なのかを判断する期日が来年1月21日に迫ってきています。 今回は、そんなBrexitの現状とそれが与える影響を考察していきましょう。
ところが、やはりBrexitがどのように決着するかについてはBOEも懸念を抱いているようです。
「合意あり」「合意なし」の離脱になるのかどうか、先行きが見通せない状況下では、経済見通しも来年以降は弱い経済成長率を描いているように見受けられます。
Brexitへの懸念は、債券と為替市場にも不安を残しています。
下記グラフ(出所:ウォールストリートジャーナル紙)は、英ギルト債10年の過去1年の利回りの動きです。
一般的には、債券市場は中央銀行、つまりBOEが利上げスタンスを継続していると読めば、利回り上昇の動きとなります。
しかし、グラフをみてみると10月に1.60%近辺を付けましたが、それ以降は利回り低下の動きとなっています。
つまり、リスク回避の債券買いの動きになっていると言えるのです。
為替市場でも、ポンド下落の動きが著しいと言えます。
下記のグラフはポンド/ドルの今年2月からの推移を示しています。
これを見ても、中長期のポンド下落の動きが予想されます。
まとめ
メイ首相、つまり保守党党首の不信任投票が今週中に実施されるかどうか、来月から来年1月までに行われる英議会で離脱関連法案の採決の結果がどうなるのか、英国・EUが「合意あり」か「合意なし」の判断する期限である1月21日、3月29日の離脱最終期限はどうなるのかなど、今後かなりのハードルが予想されます。
市場はそのたびに一喜一憂し、ポンド相場も下落の動きが進むのではと考えます。
現在のポンド関連の金融商品はかなりリスクが高く、そして為替相場でもポンドは中長期の下落方向に入っている可能性があります。
投資家の皆さんは、慎重姿勢で臨むことが必要ではないかと思います。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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