今年最大のリスクイベントであった米中間選挙が行われ、結果が出ました。正直申しまして、予想の範囲内、リスクを大きく刺激することなく消化したとの印象です。 無難に通過したことで、特に経済・金融市場では次のテーマへと移行してゆくことになります。
短期金利先物では、ユーロドル12月限2.77%と、FRB(米連邦準備理事会)が12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で少なくとも0.25%の利上げを織り込む水準に来ていますし、現在の政策金利(FF Rate)が2.25%にあることから、むしろ0.50%の大幅利上げもあるのではと思わせてしまう水準にあると言えます。FRBの利上げ路線に変化はないように思います。
中間選挙後のリスク要因
それでは今後のリスク要因は何でしょうか?
皆さんご承知の通り、対中貿易摩擦が再び脚光を浴びることになります。米国経済が対中貿易摩擦の結果、中国輸入品価格の上昇、そして米企業業績の冷え込みが貿易統計で明確になり始めると、一斉に悲観論が飛び交うことになります。
この問題をどのように評価していくかは現状では明確にはわかりませんが、米国株高、金利上昇、そしてドル高の流れのメインシナリオに当面大きな変化がないと思います。それを阻害する対中貿易摩擦という構図を描いています。リスクに対して、それぞれ許容範囲を設定して、年末までの市場を注視したいと思っています。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、
外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の
東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、
スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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