筆者は10月初旬から2週間ほど、米国に滞在しました。 今回はそのときに実際に感じた物価やインフレ率、生活状況について具体的に触れながら、現在の米国の景況感を考察していきます。
反対に、ぜいたく品や不動産は高値で推移しており、更に上昇する余地を残しているのではとの印象が残りました。
これはFRB(米連邦準備制度理事会)が言うところの、「インフレ目標2%」の範囲内で推移していると言えるのではないでしょうか。
不動産の過熱感、その他商品の上昇を防ぐ意味で、FRBは今後も金利引き上げでインフレ上昇を防ぐ処方箋を施していくと推察されます。
経済的観点からの考察
最後に、今回の滞在を通して、筆者が経済について感じたことをお話ししましょう。
アレキサンドリアやワシントンDCのようなのんびりとした土地柄では、経済が大きく変動しているとは感じませんでした。少なくとも、現地の人々が生活にひっ迫しているという印象は全く感じません。
確かに格差社会であることを感じる場面もありました。
ワシントンのユニオン駅内には、アフリカ系のホームレスを見かけましたし、駅やバスターミナルで働いているような単純労働の人たちは、そのほとんどがアフリカ系の人たちです。
その一方で、白人の中間層とその上のクラスの社会基盤はしっかりとしており、権益も確保されています。日々の生活を脅かせるほどの物価高、そして経済の変動の悪影響を感じることはほとんどありません。
実際に筆者の滞在先の家族にも、将来への不安を感ずることはほぼありませんでした。
彼らにとっては、少なくとも現時点で、大きく生活の質を落とす必要性は少ないと言えるでしょう。
オバマ政権時に決定した国民皆保険制度即ち「オバマケア」をトランプ政権は廃止しました。
しかし、それは社会の弱者に対するものであり、ほとんどの米国民にとっては影響を与えていないように思います。
格差社会の中では、弱者階層に属してしまうと抜け出すことが困難になってしまう傾向があります。
その救済のための「オバマケア」、というように捉えられてしまっていることが、そもそもの問題と言えるでしょう。
まとめ
今回の米国の旅では、米国経済の奥深さ、住宅をはじめとしたインフラがしっかりした社会、そして揺るがない米国民の生活習慣をリアルに感じました。大きくは落ち込むことがない経済基盤があるおかげで、政治および経済のリスクが高まったとしても、少なくとも日本ほど大きくは落ち込まないのではないかと思います。
やはり世界は米国中心で動いていくことになると確信した次第です。米国に投資しても、大きくはアセットを落とすことはないと実感できた滞在となりました。
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