筆者は10月初旬から2週間ほど、米国に滞在しました。 今回はそのときに実際に感じた物価やインフレ率、生活状況について具体的に触れながら、現在の米国の景況感を考察していきます。
また、ニューヨークからボストンへの移動には長距離列車「アムトラック」を利用しました。
これは1時間に1本走る特急で、日本の新幹線と比べるとスピードは劣りますが、はるかにゆったりとした快適なスペースがあり、外の風景を十分満喫することが出来ます。約4時間の距離ですが、ゆったりとした旅を楽しむにはこの方が良いと感じました。
このときにかかった運賃は73.80ドル、1ドル114円換算で約8,400円です。距離的に同じである東京と名古屋間の新幹線の運賃は、10,360円です。日本のほうが多少割高に見えますが、ゆっくりと走っているだけ運賃が安いのかもしれません。
ここまでを通して、米国の鉄道運賃は、日本と大して変わらないのではとの印象を筆者は持ちました。
一方で、「グレイハウンド」という全米ネットの長距離バスでは、ワシントンDCからニューヨークの距離で24ドル、1ドル114円換算では約2,700円でした。
こちらは日本と比べて、非常に割安に感じられました。
不動産関係の物価
不動産価格は、前回のレポートの通り、米国住宅の質も大きく違うために、明確には判断できません。しかしやはり、米国の方が遥かに高い価格で推移しているのではないかと思います。
バージニア州アレキサンドリアと都会のニューヨークとを比較すると、ニューヨークの方が遥かに高い住宅価格であると言えます。日本で言えば、東京の住宅価格が高く、地方では安いという住宅価格の現状と似ていますね。
ニューヨークのマンハッタンでは依然として建設ブームのようです。こちらも東京の実情と似通っています。
都市集中の現実は日米ともに変わらない問題のようです。
マンハッタンでは、マンションに居を構える住民がほとんどです。
トランプ大統領をはじめとした大富豪が住む街、そして世界中からビジネスマン、観光客が集まる街ということもあり、ホテル、マンションは不足気味なのが現状です。
このような状況から見ても、東京同様、マンハッタンの不動産価格は上昇気味という印象があります。
実際に、マンハッタンのハドソン川沿いの空き地では建築ブームが沸き上がっておりました。写真は新観光名所High Lane(昔列車が走っていた線路を遊歩道として整備し、ニューヨークの新観光名所となっている)から、現在建築中のマンション、オフィスを撮ったものです。
米国の物価全体を通して
物価全体を見た上での結論としては、生活必需品や生活に密着した交通手段は、総じて安定した価格で推移しているようです。
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