筆者は10月上旬から米国を旅行して、現在東海岸ワシントンDC郊外のバージニア州アレキサンドリアの友人宅に滞在中です。先週にはニューヨーク、そしてボストン、そしてその郊外に位置するプリマスという歴史的な街を楽しんでいます。
アメリカの友人宅から、不動産事情を眺める
プリマスはイギリス人が1620年、メイフラワー号に乗ってやってきた清教徒102人がプリマスの地に定住した場所としてアメリカ人は学校などで教えられます。今回の旅では、米国の歴史的経緯を実際目で確かめて、歴史の浅い米国ながら、その奥の深さを認識したい旅をしています。
そして、日本クラウド証券が米国不動投資商品の販売を開始したことで、当地の不動産事情も視察、見学する旅としています。そしてその印象をレポートしたいと考えております。
歴史的な建造物に対する意識の違い
現在滞在中のアレキサンドリアは米国建国時、つまりワシントン大統領が活躍していた18世紀中頃の家屋がそのまま保存されており、そして現在も快適に住まいとして使用されています。
日本であれば、歴史的建造物として住むことは許されず、保存する措置が取られるのが通常であると思われます。下記の写真は歴史的建造物ですが、なんと住民がそこに住んでいます。それぞれの家には歴史的建造物であることを証明するシール(看板)が貼られています。
当時は、税金額が家の横幅で決定されていたようで、歴史的建造物は間口が狭く、写真の住宅は写真上では4軒の家が連なった言わばタウンハウスの形状になっています。(実際には10軒近くの住宅が軒を連ねています。)
そしてその個別の住宅では、奥行きが広く、そしてその先には裏庭が続いています。税金を少なくし、土地を有効に使うという工夫がそこにはあるようです。京都の長屋づくりに似ており、洋の東西を問わず、そこには同様の知恵というものが働いていると感じますね。
それが下記の写真です。そこにはアレキサンドリアの歴史的建造物と記してあり、ワシントン大統領時代つまり18世紀に建設されたことを証明しています。面白いのは、当時の法律で税金を忠実に支払っている家には、住宅火災の場合には消火活動を当局から受けられるシールが貼られています。
税金の額によって、住宅が当局から保護してもらえるために、当時も税金を支払うということは、自身の住宅つまり保有不動産を担保する意味で重要であったのではと思います。
中古物件への価値感の違い
住宅街を散歩していると、リノベーションの意識が米国では強いのではと感じました。前庭、そして裏庭がきれいに整備されています。米国では中古住宅販売件数が新築住宅販売件数と比較すると、約10倍の規模であると言われています。多くの住宅購入者が中古住宅を希望しているのです。これは日本の住宅販売事情とは全く異なります。
アメリカのライフスタイルでは一般的に家庭事情と仕事事情によって、住宅を積極的に買い替える習慣があると言われています。このため、保有する住宅は積極的にメンテナンスを繰り返し、住宅をより高い価格で売却する努力を怠りません。
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