先日シャープがあべのハルカスから撤退するという新聞報道がありました。 製造業の本社ってどんな感じなのでしょう。ちょっと調べてみました。
先日シャープ株式会社が更なるコスト削減を目的に、あべのハルカスから撤退するという新聞報道がありました。
確かに都心のビル家賃は費用がかかります。都心にオフィスを構える企業の支出を見てみるとオフィス費用はトップ5に入る支出であったりします。
このようにコストがかかっても都心にオフィスを構える企業にはそれなりのメリットがあるのでしょう。特にサービス業にとってみると顧客向けのサービス拠点にもなりますし、企業のブランドイメージの向上にもつながるでしょう。また人材採用に有利という声もあります。社員の通勤の利便性を考えても、一概にコストがかかっているからと言って否定することはできません。
しかしサービス業はともかく製造業はどうでしょうか。製造業の本社は多くの場合プロフィットを稼ぎません。本社には営業部隊と経営層だけが駐在している、というのもよく聞く話ですが、その必要性については何とも言えません。もちろん個別の企業毎に状況は異なるでしょう。昔は監督官庁の近隣が望ましいなんていう事も聞いたことがありますが、もうそんな時代でないことは言うまでもありません。
いずれにしても製造業の本社ってどんな感じなのでしょうか。
ちょっと調べてみました。昨年度の売上上位30社の製造業種の企業の本社所在地です。
売上トップは言うまでもありませんがトヨタ自動車。トヨタ自動車の本社は愛知県豊田市トヨタ町です。2位は同じ自動車の本田技研工業。本田は東京都南青山に本社がありますが自社ビルのようです。以下、日産自動車、日立製作所、ソニー、パナソニック、新日鐵住金、デンソーと続きます。
結果、製造業売上トップ30社の中で東京都心(丸の内、大手町、銀座、日本橋、赤坂)と大阪中心(北区、中央区)に本社を構えている企業は13社です。約半数ですが半分を割る状況でした。
実際に調べてみると、、感覚よりも少ない感じがします。都心に本社を構えている製造業企業は思ったほど多くないのです。特に自動車関係は都心型は少ない。トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、デンソー、ブリヂストン、アイシン精機、SUBARU、マツダ、スズキの9社が売上トップ30に入っていますが、都心本社はブリヂストンだけです。(南青山の自社ビルの本田は除く)
徹底したものです。
冒頭で取上げたシャープもあべのハルカスに入居していたのは一部の営業部門で本社は別に立地しています。このように上位30社だけですが、製造業の都心本社は意外と少ないようです。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。