今月の当レポートは、リーマンショックから10年、その教訓、そしてドルの一人勝ちの中での米資産保有考察と、米金融市場中心の内容です。中央銀行であるFRB(米連邦準備理事会)が今週利上げに踏み切ったこともあり、今後の利上げの頻度、そして打ち止め感などについて考察します。
アメリカの動きに再度の注目
今後3年のスパンで米経済を見ると、どうしても米経済には弱点がないように見えてしまいます。しかし、経済は生き物であり、どこで失速してしまうか不安定です。
米ドル資産投資、つまり株、債券、不動産投資はキャピタルゲインとインカムゲインを享受できる状態にあるものの、不測の事態がいつ起こるとも限りません。その一つにトランプ大統領の保護主義的経済政策、つまりアメリカファーストが挙げられます。
世界を敵に回すことを厭わない貿易政策、とりわけ対中貿易摩擦には要注意です。それによっては、米GDPの下方修正、景気悪化の恐れもあります。そうなればFRBとしても利上げセッションのペースを抑えなければなりません。
米金融資産を保有していても、楽観的になることは必要ですが、頭の片隅には常に最悪の事態になったら、どのように保有資産を管理するか、ある程度の行動指針は持っておいた方が良いのではと筆者は考えます。
まとめ
一番に行動する投資家は、一番損失を軽微に抑えられます。世の中総楽観論が蔓延しているときにこそ、そのような不安を筆者は覚えます。筆者はそのような兆候が出始めたら、一番に当レポートで報告したいと思っており、日々アンテナを張っています。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、
外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の
東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、
スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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