為替市場ではドルの一人勝ちの様相を呈していますが、それには様々要因が重なっています。その要因を解説しましょう。
対中貿易の行方、投資のかたち
トランプ大統領の対中国を標的にした貿易摩擦もドル一人勝ちにしている要因です。米貿易赤字の原因の約半分は対中での貿易赤字と言えます。益々エスカレートする追加関税総額を見ると、貿易赤字が次第に減っていく傾向が見られることになるのかもしれません。中国に流れる人民元が減ることになれば、最終的にドル高帰結することになるのではと思います。
ドルが上昇する中での米国資産投資を考察してみましょう。
債券・社債投資
ドル高の中の債券投資は、償還期日まで保有する覚悟があれば賢明と言えます。10年債で言えば、3%から今後4%前後に利回り上昇が予想されます。債券売りの相場が予想され、債券価格下落が予想されます。短期売買では損失を計上することになるのかもしれません。
その意味で長期投資の覚悟が必要と言いました。しかし米国債は世界で一番安全と言われ、日本銀行をはじめ各国の中央銀行が安全資産としてポートフォリオに組み込む動きとなっています。米社債にしても、米国企業が世界経済をけん引しており、大きく企業業績が悪化することは予想されていません。
ドル上昇という副産物もあり、高い利回りが期待されています。
株式市場
現在最も注目される市場です。ダウ平均株価、NASDAQなどの株式指数は軒並み上昇しています。アマゾン、アップルコンピュータ、マイクロソフトなどIT企業がけん引している。経済の基礎ファンダメンタルズが上昇しており、それに連れて企業業績も上昇しています。
新しい分野での研究開発費も突出しており、先端分野も米企業が先頭を走る勢いを感じます。ダウ平均株価指数が30,000ドルを目指す過程にあると筆者は考えています。前回のレポートでも解説しましたが、リーマンショック、ブラックマンデーなどの金融危機を経験しても、ダウ平均株価は最終的に成長路線を堅持しています。
その意味では、大小変動のある株式市場にあっても最終的には上昇する米株式市場にあるのではと思います。リスク回避的市場になっても、「そこが底」である可能性が強い市場であると筆者は思っています。
ドル預金
FRBの利上げセッションと連動し、短期金利が上昇する動きになっています。当然預金金利も高い利回りが得られることになります。
3か月短期金利先物を見ても、2.50%以上の金利体系になっていますので、ドル高相場と金利高の両方を享受できると言えます。その意味では非常に保守的な投資戦略と言えます。
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