文化放送The News Masters TOKYO「マスターズインタビュー」。今回のインタビューのお相手は、パーソナリティ・タケ小山の大学院時代の恩師でもある早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授、平田竹男さん。 “サッカー少年”だった平田さんは、中学時代に抱いた「プロリーグの創設」「サッカーくじの導入」「ワールドカップの自国開催」の夢を叶えた。 The News Masters TOKYOのパーソナリティ・タケ小山が、スポーツ界の発展に向けての考えや人生に大きな影響を与えたという留学経験について聞いた。
東京オリパラ
東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部事務局長でもある平田さん。
最初の仕事は、「五輪(オリンピック)」と省略されないように、「オリパラ」としたことだった。
ポスターもオリンピックとパラリンピックの両方を貼ってもらい、バッジも日本が初めてオリンピックとパラリンピックが一緒になっているものを作ったのだそうだ。
確かに今、「オリパラ」の流れが出来てきている。
「難しいことは?」とタケが問う。
テロ対策、暑さ対策、外国人対策、交通、バリアフリー…やらなくてはならない大切なことがたくさんある。
各省庁、一生懸命やっていると平田さんは言う。
バリアフリーでいうと、駅のホームドアの建設やエレベーターの増設など、物理的な改善は大きく進んでいく。
ただ、このような物理的なバリアフリーだけでなく、困っている人を見た時に、躊躇せずに助けられる、心のバリアフリーも大切だと、平田さんは付け加えた。
“パーティーマン”になれ!
多方面で活躍する平田さんの人生に大きく影響を与えたのは、ハーバード大学ジョン・F・ケネディスクールの留学経験だった。
ケネディスクールは「世界のリーダーを結集させ、かき混ぜて、そのことによる化学反応を見ている」そんな場所だと平田さんは言う。
そしてそこで一番大事なのは、パーティー!
ケネディスクールでは、あらゆる関心でテーマごとにパーティーが開かれる。
そこでどう活躍するか?隣の席の人とだけ話していてはいけない。
みんなとの共通項を自らセンタリングできる"パーティーマン"になる。
これが平田さんがケネディスクールで学んだ、最も大きなことだった。
スポーツ界の発展のために…
スポーツ界が発展していくためには、スポーツ選手に対する教育の場が必要だと平田さんは考え、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の教授になった。
勉強しながら、経営する、強化する、お金集めをする、ファンを集める…これが大事だと平田さんは言う。
サッカー界、ゴルフ界、卓球界…スポーツ界において、お金集め、強化、普及というものの構造を勉強して、それぞれの世界のリーダーになってもらう。
この構造を作りたかったのだそうだ。
そして、どうやったらこれができるのかと考えた時に、参考にしたのが、ハーバードのケネディスクール。
ハーバードのケネディスクールは、政治のリーダー、政治家を養成する学校。
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科は、スポーツ界のリーダーを養成する学校。
似ているところがすごくある。金融やサイエンスを味方につけないといけないのは同じ。
そして大事なのは、異分野がたくさんある中で、それをどう超えてコミュニケーションをとって、ネットワークを作るか。
それには、人と人とが深く交わるのが大事だと平田さんは言う。
日本人は名刺交換をして、「今度一度食事でも」と言って、二度と会わない。これを変えないといけない。
話があるなら、初対面でもその場で話をすればいい。
また、スター選手になるとしょうもないことを聞きにくい。でも、聞いていいのだと心を変えないといけない。
平田さんは言う。「異分野の人とどれだけディープな話ができるか、自分の専門でないことについてディープな話をできるようになると、あらゆる産業をまたがった時にスポーツ界の人がリーダーになれるのではないか」と。
平田さんには、平田ゼミの卒業生それぞれになってほしい像があるのだそうだ。
もちろんタケ小山にも。
そして、そのために役に立ったらいいなと思うことに、ちょっとずつヒントを出しているつもりだという。
スポーツ界の発展に情熱を注ぎつづける、平田さんのリーダー育成にかける熱い想いが、ひしひしと伝わってきた。
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