「ペッパーランチ」や「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービス。 いずれステーキの時代が来ると未来を予見し、商品をステーキ一本に絞った一瀬邦夫社長は、週に3~4のステーキを食べるほどのステーキ好き。 そんな一瀬社長の経営手腕や20年以上も手掛けているという社内報への想いについて、文化放送The News Masters TOKYO『マスターズインタビュー』のパーソナリティ・タケ小山が迫った。
起業と経営理念
ペッパーフードサービスは、「ペッパーランチ」「いきなり!ステーキ」以外にも、10以上の肉料理のお店を出店している。
これを受けてタケが、起業とその成功の秘密について聞いてみた。
タケ:
起業して成功する人もいれば、失敗する人もいます。その差は何でしょうか?
一瀬:
諦めるか否か。やってみてそんな簡単に上手くはいかないのですが。
しかし、やっていく中で諦めたり、他のことを始めてしまい深みにはまってしまうこともある。もちろん、起業はしないと成功しないが、必ずしも成功するとも限らない。それについてこう答えた。
一瀬:
win-win。さらに進めて、『ビジネスは相手が勝つこと』です。
ペッパーランチは対昨年同月比で、64か月の成長を成し遂げているものの、大阪での事件やO-157騒動もあった。
だが、これを経験したから今がある。
勝つまでにはいろいろなことも経験し、その反省があったから、より食べ物の扱いが慎重になったのだ。
一瀬:
その事業を辞めた時が失敗で、辞めなければ失敗にはなりません。そして素直な人は成功します。それは人の喜びが自分の喜びと感じられるような人です。
こうした素直さに加え、困難に当たったとしても、明日のことは考えず、それよりもずっと先のことを考えているのだという。
創業者らしい前向きな考えである。
一瀬イズム
インタビュー中、タケは今の一瀬社長を社長たらしめる言葉について聞いてみるとこう返ってきた。
●「自分さえよければいいはダメ」
親の教えだというこの考え。これがなければ、前述のWIN-WIN、一歩進んで「ビジネスは相手が勝つこと」という考えにも至らなかっただろう。
●「決意は自分との約束である」
人との約束は反故にしない。しかし、禁煙やダイエットなどの決意は皆途中で辞めてしまう。そして、決意を止めると、自信が無くなる。
さらに、ペッパーフードサービスの一瀬社長が大事にしている言葉が「馬上行動」。社内報のタイトルでもあるが、「スピード感をもって、走りながら考える」という意味である。
そんな一瀬さんが20年以上、自ら手掛けている社内報への想いとは?
一瀬:
きっかけは、倒産寸前だったことです。
じり貧状態でありながら、対外的に「この会社は元気だ」とアピールすべく大決起大会を盛大に催した。もちろん完全なるハッタリである。
しかし、そこには大勢の人が集まり、そこで今後の展望を話した。そして、そこではとどまらず、その時の想いを、社内報にした。
記事を集めて、写真を挿入、69号まではすべて自分で作ったという社内報。
一瀬:
もし途中で出せなくなったら、この会社は倒産する。みんなにそう言いました。
決意は自分との約束。
人に言わないと都合で変えてしまう。
だからそれができない環境を作り、社外にも配った。大変だった時のことを振り返れる。そしてこれを続けたから一部上場できたといっても過言ではないと振り返っている。
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