ビジネスがスピードアップするにつれて、社内・社外との打ち合わせ頻度は増える一方です。「打ち合わせスペースがもっと欲しい」という声はどの会社でも多く聞かれる要望です。限られたスペースでいかにコミュニケーションスペースを増やすか、経営者や総務部門、ファシリティマネージャーにとって悩みの種になっています。ミーティングというコミュニケーションの場はどのように設計するべきなのでしょうか。
気軽にミーティングできるといっても、気持ちを切り替えることは必要ですから、フローリングやチェアの種類などでゾーニングを変えています。カラフルで姿勢を変えられるような遊び心のあるチェアが用いられたりすることで、参加者の気分を変えられるようになっています。
次に、ファミレス席型のミーティングスペースはセミオープンな空間です。どんなメンバーが集まっているかわかり、近くを通ると話は聞こえますが、話には入りにくい雰囲気です。テーブルは小さめなので心理的な距離も縮まります。
これが社内用会議室になると、透明な大きなガラス窓で仕切られており、中に誰がいるかは前を通ると目に入りますが、声は聞こえず、中には入れません。
さらに来客用会議室は、曇りガラスで仕切られていますので、中に人がいることはわかっても、誰が何を話しているかはわかりません。
クローズドさで言えば、一般的な企業の会議室はこれに近いと言えます。比べてみれば、いかに同社が社内でオープンに、コミュニケーションを重視してオフィスづくりをしているかがわかります。
いつでも自由にコミュニケーションをとることができるように、すぐにミーティングできるようなスペースを多く作り、さらにそのコミュニーションをオープンにすることで、見る/見られるという関係性も作りあげることは、これからのオフィス内のコミュニケーションを考える上で欠かせないものになっていくでしょう。
ミーティングの種類から企業の仕事を考えてみる
一方、コミュニケーションとしてのミーティングにも、さまざまな種類のものがあります。
一番多いのは、スムーズに仕事を進めるために、少数の関係者で行われるちょっとした打ち合わせです。そんな打ち合わせは、予約が必要な会議室ではなく、コミュニケーションを密にとれる小さなミーティングスペースのほうが適していると言えます。
通路沿いに設けられたオープンミーティングスペースで打ち合わせれば、参加していない社員の耳にも自然に内容が入ってきます。小さなミーティングが増えると、全体的な情報共有が不足してしまうという弊害が起こる可能性がありますが、オープンなスペースでのミーティングはそうしたリスクを防ぐ効果もあるわけです。いわば非公式な情報共有といえるでしょうか。
次に多いのは、業務を進めるための報告・共有、調整のためのものでしょう。
前出の株式会社ストライプインターナショナルでは、会議資料を基本的に事前共有し、それを読んだ上で参加するというルールにすることで、資料の説明に終始してしまうような情報共有のための打ち合わせをなくしてしまいました。ですから、通常、情報共有のために使われる大型液晶モニターやホワイトボードなどが、同社のオープンミーティングスペースにはありません。聞いているだけの会議をなくし、本当に必要な会議だけにした結果、同社は劇的に会議時間を減らすことに成功しています。
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