状況を把握するために行なうヒアリングで使える技とは?
プロジェクトの初期段階で行なうことの多いヒアリング。
一般的には相手の話を聞きながら必要な情報を抽出し、足りない部分はこちらから質問していくという流れで行なっていきます。
しかし実際は、業務目的、手順、業務上の問題、人間関係、苦情、不満。。。
様々なカテゴリーの様々なレベルの話がぐちゃぐちゃに飛んでくることはよくある話です。 ヒヤリング対象者が同時に複数人いるとなると、さらに話の矛先があちこちに散乱します。
相手の言葉を拾いながら、何とかロジックでつないで理解していく作業も、リアルタイムで扱える量もスピードもやはり限界があります。
これをいかにスムーズにこなすか?
私は翻訳者の方のスキルを参考に、ある技を身につけてきました。
それは、
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「絵を描く」
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かつて翻訳作業をやっていたときです。
当時英語のビジネス書とebookの2冊の翻訳を同時進行でやっていました。
なるべく自然な日本語に意訳しながら進めていましたが、とても時間がかかりました。本業の合間でやっていたこともあり、なかなか時間が取れなくなり、ebookは途中でプロの翻訳家のお力を借りることにしました。
そして、最終的に、途中まで自力でやった自分の翻訳と、プロの方にやってもらった翻訳を比較してみました。すると、自分ではうまい意訳を意識した日本語訳のはずだったのですが、プロのそれと比べるとやっぱり日本語のナチュラルさに白旗を上げざるを得ませんでした。
そこで翻訳が終了して間も無く、私はその翻訳家の方に無理を言って会いに出向き、 なぜそんなに早くかつナチュラルな日本語に翻訳が出来るのか?
コツを教えてくれ!と迫りました。
すると、
「絵を描く」
という言葉が出てきました。
その翻訳家曰く、
「英語を日本語に訳すのではなく、読んだ英語から頭の中に絵を描き、それを見ながら日本語で記述していく」
これがコツだということでした。
この話を聞き、ピンときました。
それって外国語を日本語に翻訳するだけでなく、日本語を日本語で理解するのにも役立つのでは?と。
ここでいう「絵を描く」とは、相手の話していることを、絵や図解として頭の中にぼんやり描きながら話を聞く方法です。
「人の話を理解する」
というのは、相手の言葉を自分の言葉に翻訳することに他ありません。
だとすると、「相手の言葉」を直接的に「自分の言葉」に繋げ、いきなり理解しようとするより、いったん イメージで受けとめておく(=絵を描く)方が、処理スピードが早く済むのではないかと考えました。
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