AIの登場によって、「無くなる仕事」「生まれる仕事」、「ホワイトカラーの大半の仕事はなくなる」など、AIによって我々の仕事が大きく変わるといった話が花盛りだ。マーケティングの世界に身を置く人たちの仕事はどう変わるのだろうか。
ちなみに、マーケティングと対をなすプロダクト側では、サプライチェーンというプロセスが存在する。そしてよく言われるのが、AIによるサプライチェーンの激変だ。サプライチェーンとは、原材料を購入し、加工し商品として価値を生み、顧客まで届ける連鎖のことだが、これまでは、生産部門は来期の生産計画を立てる際、販売・マーケティングが出す予測に基づき計画する、そして購買部門はその結果に基づいて原材料の購入計画をたてる、というプロセスを踏んでいた。
しかし、これまでのデータをふんだんにもったAIは、これらのプロセスをリアルタイムに行う。そうなると、販売と生産管理、生産と購買などの各プロセスにおける受発注業務の時間が大幅に短縮される、商材によっては不要になる。
先ほど紹介したマーケティングプロセスにも、同様のことが起きるのではないか。市場データなどの環境データと購買データなどの実データがそろいさえすれば、マーケティングプロセスの中で、「R・STP・MM」という戦略立案のプロセスは、瞬時に実現されることになる。正解・不正解化は別にしても、少なくとも「draft proposal」としては十分なものとなるだろう。ある変数をあらかじめ与えておけば、誰よりも早く多数の戦略プランが提示されることになる。インターネットの世界では、「I・C」のプロセスも実施されるため、ユーザーの動きに合わせてリアルタイムに、次回の戦略が描かれることになる。
もちろん、マーケティングには、コンセプチャルなスキルが伴うクリエイティブの世界があるが、その人たちですら、PDCAのサイクルか格段に早くなる。というか早くしなければならない。
マーケティングに関わるクリエイターを含めて、生きにくくなっていくのは間違いない。
かつて、Macが登場してDTPが実現したことで、ひとつの仕事の納期が3分の1から半分になった。
これからは、マーケティング全体のプロセスがこれまでの3分の1、5分の1、10分の1になっていく。
あなたはこうした世界で生きていけるだろうか?
調査分析結果を1カ月かけてまとめるような仕事、ターゲティングにあわせたプロモーションプランを2週間かけて1つつくるような仕事に価値はあるだろうか。
マーケティングにかかわるには、こうした次々と出てくるプランと結果に対して、どれだけ早く意思決定を行い、予算投下の判断を下していくことができる人材でなければならなくなるのだ。
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2015.07.10
2015.07.24