大減量に成功した岡田斗司夫氏。 社会評論の本を出していた岡田氏自身は、自分は 「社会評論家」 と見られていると思っていました。
ところが、現実には
「デブキャラ」
とみなされ、知的なイメージが無かったとのこと。
まあ、サンドウィッチマンの伊達さんのような
「小太り」
程度であればそんなことはなかったと思います。
しかし、相撲取り級の120キロに迫る体格となれば、
岡田氏が、単なる「デブ」としか受け取られなかったのも
むべなるかなです。
ところが、67キロにまで体重を減らした今、
掲載される写真やスペースが大きくなったそうです。
なるほど!
しかし、これは見た目が改善されたからというよりも、
ダイエット成功による
「体型の変化」
で注目を集めているからだと思います。
岡田氏は、
“見た目が悪いと、いい仕事をしても評価されない。
私たちはいつの間にか、外見で中身や仕事の実績まで
評価されているのです。”
と言い切っています。
(日経新聞夕刊、2008/01/30)
なるほどね!
しかし、自分が痩せたからといって、
岡田氏もちょっと言い過ぎではないでしょうか。
さて、確かに私たちは、
まずは対象(人に限らず食べ物なども)の見た目で、
・危険はあるか・ないか(近づいても大丈夫か)
・好きか・嫌いか(付き合いたいか)
を判断しますよね。
ただしこの判断はあくまで「直感」による
「仮評価」
に過ぎず100%正しいとは限りません。
ですから、少なくとも危険はなさそうだと判断できたら、
実際に近づいてみて、例えば食べ物であれば、
においをかいだり、
手で感触を確かめたり、
ちょっとかじってみて、
見た目じゃなくて「本質」(中身)は
実際どうかを確かめるわけです。
ところが、近年は本質を確かめる以前の
「仮評価」の段階で思考を停止してしまい、
あの人はだめ、この食べ物はだめ
とさっさと最終評価にしてしまう傾向が
高まっているようです。
この背景にはやはり、
情報過多で複雑になりすぎた社会
があるのではないかと思います。
ひとつひとつ、外見だけじゃなくて、
本質まで確かめようとしたらとても時間が足りないですから。
岡田氏は、「見た目主義」の是非を問うようりも、
どんな行動をすれば効率的かを考えて行動すべきと
考えています。
見た目が良いほうがメリットが大きい社会であるなら、
太っている人は痩せたほうがいい、というシンプルな理屈です。
ただ、これもあくまで本質(中身)が伴っての話でしょう。
ぱっと見がよいと確かに最初はみな飛びつく。
でも、本質がたいしたことなければすぐに離れて
いってしまいますからね。
最近、「きゅうり」の人気が落ちているそうです。
次のページ「鮮度が良くない」
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2008.02.08
2008.02.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。