2005年4月25日に発生したJR西日本・福知山線の事故は、 死者107名(運転手含む)、負傷者562名の大惨事となりました。 改めて、お亡くなりになった方のご冥福をお祈りします。
まるでこれは、
地雷原を避けた道が作れないことはなかったが、
もはや、地雷原のある道を毎日通ってもらうしかないから、
「運転手くん、地雷を踏まないように上手に通ってくれよ」
と言うようなものではないですかね。
つまり、リスク管理を運転手という一個人にのみ
委ねていたのが実情だったわけです。
非常に初歩的なことですが、リスク管理における対策には、
・事前予防策:リスク発生を阻止する対策
・事前準備策:リスク発生に備える対策
・事後対応策:リスク発生後の対策
の3つがあります。
このうち、JR西日本が取っていたのは、
「事前準備策」
だけであったのは明白ですよね。
運転手のブレーキという
「事前準備策」
によって、
事故発生のリスクを低減することだけは
行ってました。
しかし、線路のカーブの大きさを適切に設計することで、
事故の発生原因そのものを除去、あるいは回避する、
「事前予防策」
は行っていなかったということです。
ですから、事故調査委員会の結論は、
リスク管理の視点からは極めて不可思議というのが
おわかりでしょうか。
もちろん、この結論に別の配慮が働いている
ということなら「何おかいわんや」ですが。
以上の話は、
『JR福知山線事故の本質-企業の社会的責任を科学から捉える』
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の編著者、山口栄一氏(同志社大学ビジネススクール教授)のお話を参考にしました。
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2008.02.13
2008.02.14
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。