コンテンツマーケティングは間違いなくセールスをサポートするものだが、セールスプロセスそのものになり、ソリューションを打ち出してしまいだすと、コンテンツマーケティングが立ち行かなくなることが多い。
当然、エンゲージメントの観点から見れば、広告アプローチとは比較にならないクオリティを上げており、受注へ向けたコンバージョンまで本来はとらえるべきなのだろう。
前にも書いたが、中小企業におけるマーケティングを考える場合、予算や市場規模が限られるために、マーケティング施策がほとんどセールスプロセスになる。
セールスプロセスというのは、大半が顧客のステージを上げていく(と思えるもの。実際に顧客自体が何か変化することはない)と勝手に想定するもので、そこはあくまで訴求側の理屈となる。
そこに明快な顧客のニーズや、切実な課題が実際に存在しているわけではないので、勝手に想定したニーズ(想定なので、深堀することも難しい)に対するソリューションを列挙していくしかなくなる。
ここでいうソリューションは、問題解決のための処方、つまりサービス自体だったり商品の一部だったりするわけだが、こうなると、継続するのが至難になる。自社のソリューションには限界があるし、ニーズの想定が同じなので、切り口も変えることができない。
顧客の状況や抱えている本質的な課題や問題などを探る時間やコスト、人的資源もないので、常に一方的な切り口とニーズの決め打ちになってしまうので、否が応でも自分たちの話になってしまう。
セールスプロセス的に言えば、まず自社製品について説明するということになるのだろうが、実際の商談の中で、顧客の課題に触れないままに話し続けるほどむなしいことはないはずだ。
にもかかわらず、極端な場合、「コンテンツマーケティング」ではセールスプロセス的に次の段階へのコンバージョンが進まないと嘆いたりする。これはもはやコンテンツマーケティングではないし、セールスプロセスにもなっていない。
コンテンツマーケティングのコンテンツとは、ソリューションそのものでは決してない。ソリューションから離れること、ここからしか始まらない。
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