残念ながら時間を管理(コントロール)することはできません。できるのは、自分がやるべきことを管理することだけ。本来、タイム・マネジメントとは自分の行動を管理するためのもの。したがって、「やるべきことを決める」タスク管理を徹底すばることが、タイム・マネジメントの最大のポイントです。
タスクとは何か?
「タイム・マネジメントとは、たくさんのタスクをできるだけ効率よく片付けていくためのもの」そのような考え方で、日々、タスク・リストと向き合っているビジネス・パーソンは少なくないでしょう。
また、どう考えてもその日にすべてやり遂げるのは難しいとわかっていても、とりあえず、たくさんのタスクをリストに書き連ねることに奇妙な満足感を覚えているビジネス・パーソンや、その逆に、やらなければならないことがあまりに多すぎて、毎日毎日やり残しのタスクを先送りするストレスに押しつぶされそうになっているビジネス・パーソンも多いのではないでしょうか。
いずれにせよ、緊急のタスクに追いかけ回されているうちは、自分自身のビジネスの主導権を自分できちんと握っているとはいえません。
いくら働いても未完了のタスクを毎日大量に生み出し続けている現実は変わらず、仮にすべてのタスクを完了できたとしても、ひたすらタスクを遂行することに自分の人生を捧げているような毎日を、いったいどこまで続けていけばいいのでしょうか。
「忙しいから」は、魔法の免罪符ではありません。その間に、自分の人生から零れ落ちていった「本当に大切なこと(目標)」は、自身がきちんと光を当てて対応しない限り、決して完了になることはないのです。
特に、第Ⅱ領域の行動は、他の誰かに委任することのできない、自分自身だけが遂行できる重要なタスクです。これらをいかにスケジュールに組み込み、確実に実行していくか。タイム・マネジメントにおいて最も基本となるポイントが、タスク・リストには集約されているのです。
月、週、日の3つのスパンでタスクを考える
スケジュールや計画を立てていくうえでは、それぞれの内容に応じた適切なスパンがあります。タスク管理を考える際にも、1ヵ月は全体の進捗を見ながら、1週間は生活のバランスを考えながら、1日は細かなタスクを管理するのに適した単位といえるでしょう。
あまり目先のスケジュールや効率性にとらわれると、効果的なプランニングにはなり得ません。まずは、それぞれの目標にかかるコスト(作業量や時間)、期間、優先順位などを考えながら、1ヵ月くらいのスパンで主体的かつ大局的に「自分の時間をどう使うか」を決めていくことをお勧めします。
では、少し具体的に考えてみましょう。
たとえば、3ヵ月後にあなたの会社で創立30周年のイベントがあるとします。
営業として重要顧客を抱えるあなたは、このプロジェクトにおいて、顧客企業トップ層のゲスト招致、さらに、彼らを満足させられるような企画のアイデア出しという貢献が求められています。こうした状況では水面下での準備活動が非常に重要になるはずです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2017.10.21
2018.06.28