人は居るだけで影響力を持っている。しかし、その影響力は一様ではない。 では、あなたの「存在の質」とはどのようなものだろうか? 私はリーダーの組織における存在の質について洞察してきた。 組織のパフォーマンスや様々な問題の根底にはリーダーの存在の質が深く関与している。 それは誰かの問題ではなく、私達ひとりひとりの問題なのです。
それは一過性の研修で創られるものではなく、理想的にはより良い手本を見ながら、実務の中でリアルな人間関係と相互支援的な関わりから育まれるものです。
これは知識やスキルではなく、風土や文化の領域です。
であるならば、組織運営を担うリーダーが育つ風土や文化を創るとは、風土や文化が息づく組織そのものを創るということを意味しています。
「組織を創る技術」はそのために必須要件です。組織で起こる様々な問題解決の根源もまたこの取り組みの不足に起因しているものが少なくありません。
組織が生み出す風土や文化がリーダーの「存在の質」を決めていくのです。
その「存在の質」が人財と組織の成長と成果を創っていく。私利私欲ではない成果を。
そして、人事的なあらゆる取り組みは、「存在の質」を高めるためにあるべきなのです。
■リーダーと言う存在の質
リーダーという肩書を持った人材の「存在の質」の違いによって、同じチーム、同じメンバーであるにも関わらず、成果がまったく異なる。この現象は、一般には組織変更等でリーダーが異動になり新たなリーダーが着任することで、それまで低迷していたチームが、高い成果を出し始めることにも共通している。勿論、逆もある。
では、リーダーが変わったことで何が変わったのか。
その本質が分からなければ、組織変更はただのギャンブルとなる。
逆に、本質が分かれば、どのような組織においても成果が出せるリーダーを養成することができる。
ここで1つ忠告があります。今更言うまでもないことかもしれませんが、経験がある、スキルがある、知識がある。これはリーダーとしては必要条件ですが、十分ではありません。知識や経験があってもチームとして成果が出せないリーダーはたくさん居ます。
また、経験がない、スキルがない、知識がない。それなのにチームに大きな成果をもたらすリーダーがいることも事実です。
この2つから言えることは、リーダーになる為には知識や経験以上に重要なことがあるということです。
これからその謎を解き明かしていきましょう。
その為の重要なキーワードが「存在の質」であり、存在の質は「一員」「場づくり」「関係性」「役割」「問題解決」「責任」「行動」「あり方」の8つの質を形成する要素を持っていることを先にお伝えして話を始めます。
1)第1話「一員としての質」
あなたが居る(存在)ことでチームの雰囲気やエネルギーはどう変化しますか。
同じメンバーであるにも関わらず、チームを担当するファシリテーター(以降はリーダーと呼びます)が変わっただけで雰囲気はまったく異なります。
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2010.03.20
2015.12.13
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。