アウシュビッツの話から知る、感情は表現されたがっていること

2016.04.08

ライフ・ソーシャル

アウシュビッツの話から知る、感情は表現されたがっていること

内藤  由貴子
一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事

「アンネの日記」のアンネ・フランクの義理の姉の話から、アウシュビッツの体験のようなトラウマの体験を含め、思い出したくないような感情を表現することの大切さについて、フラワーフォトセラピストの視点で考えます。 写真は、フラワーフォトセラピーの「自分の気持ちが表せない苛立ちが癒される」役割をします

こんにちは。フラワーフォトセラピストの内藤由貴子です。

さて、今回は、私たちの感情は、表現されたがっているというお話です。


○アウシュビッツのこころの爪痕

「アンネの日記」のアンネ・フランクのことはご存じでしょう。
しかし、同い年で後にアンネの義妹になったエヴァさんのことを知っている人は少ないでしょう。

実は、昨年の朝日新聞ですが、そのエバさんのことで、興味深い記事がありました。

アンネは収容所で命を落とし、彼女は、アウシュビッツの強制収容所から生還し、彼女の母親がアンネの父親と結婚したことで、義理の姉になったそうです。

しかし、「アンネの日記」が売れると、亡きアンネに注目が集まり、生きているエバさんが彼女影のような存在となり、辛い日々になったのだそう。

記事を引用すると…

「アンネが日記の中で「人間の本性は善だと信じている」と吐露するが、エバさんは「収容所での経験をする前に書かれたものだから」と思わずにはいられなかった。収容所には冷酷なナチス将校だけでなく、生き残るためには他人を顧みない収容者もいた。極限状態の「人間の本性」を見せつけられた。」

偏見をもたれることを恐れ、生還した人の多くは、収容所のことを語らなかったのだそう。
エバさんも、特にアンネの影として語ることに抵抗があったそうです

エバさんは戦後、しばしば悪夢に襲われたそうです。それは、自分と母が、ガス室に送られる「死の選別」を受ける場面でした。

しかし、
「 転機は40年以上たった86年。ロンドンで「アンネの日記」のイベントに招かれ、促されるままに収容所体験を初めて告白した。聴衆は衝撃を受け、「アンネの続編」を書いて欲しいという依頼が殺到。迷った末、受け入れた。「アンネの日記は素晴らしいが、収容所のことは書かれていない。それだけでは真のホロコースト(ユダヤ人らの大量虐殺)を伝えることはできない」と考えたからだ。」

その後、収容所体験の話を人前でするようになって、悪夢はとまったのだそう。


このことから、何を思いましたか。

辛い記憶、トラウマになる出来事など「忘れてしまいなさい、時間が解決するから」と言う人は多いです。

それは本当にそうでしょうか。


実は、こころの奥に押し込めて蓋をしても、忘れたことにはならないのです。

それどころか、閉じた蓋を開けないように、自分でこころの奥に重しをしているため、蓋にかけた負荷の分だけエネルギーを消耗します。

そのひずみが心身に何か症状を作ります。

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内藤  由貴子

一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事

こんにちは。内藤由貴子です。花の写真でストレスを作る感情を分析、心理診断を行い、さらにその解消まで行うフラワーフォトセラピーのセラピストです。INSIGHTNOWでは、異色な存在かもしれませんね。このセラピーの普及のため、一般社団法人フラワーフォトセラピー協会を設立、講師の養成、セラピストの紹介を行っています。自身、色を使うオーラソーマ®をはじめ、セラピストとして16年あまりのキャリアです。このINSIGHTNOWでは、こころをケアに役立つようなコラムを書かせていただきます。よろしくお願いいたします。

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