アメリカでは今後5年間で、営業マンの22%、100万人が仕事を失う。そんな調査結果をForrester社が発表した。今後のコンテンツマーケティングの進行を前提にした話である。日本でもオウンドメディアを運営する企業が増えてきた。このトレンドの先に待っているのは、どんな世界だろうか。B2B企業の営業マンは、本当に要らなくなるのだろうか。
オウンドメディアが営業マンの代わりになる
何らかの製品やサービスを顧客が探しているときに、自社の製品・サービスを見に来てもらうためのサイトがオウンドメディアである。コンテンツマーケティングとは、ごくかいつまんで言えばオウンドメディアを運営し、そこからクロージングまでの一連の流れを作ることだ(リードジェネレーションから顧客フォローまでを、システム化することをマーケティング・オートメーションとも呼ぶ)。オウンドメディアの核となるコンテンツはビジネスブログである。このブログに事例レポートや調査分析レポートなどをくっつけ、資料請求のフォームを用意し、メルマガ登録もしてもらえるようにする。
ブログ記事では、自社製品の開発思想を語り、ユーザーの使用事例を掲載する。顧客が何より知りたいのは、自社と同じようなユーザーの事例だ。そこでは使用上のトラブルや、一工夫することで効率を高めているケースなどが最も有益な情報となる。従って、オウンドメディアのコンテンツは、可能な限り取材(開発者=作った人&ユーザー=使っている人)をして作ることが望ましい。
コンテンツは誰が書くべきか
BtoBのコンテンツマーケティングにおいて、効果的な、すなわち集客から関心喚起へとつなぐコンテンツライティングをするためには、次の3つカテゴリーの能力が必要だ。
マーケティングとインタビューとライティングである。
マーケティング能力が必要なのは、当たり前の話である。その企業が置かれているビジネス環境をマクロ(PEST分析)とミクロ(3C分析)で理解しておかなければ、コンテンツを書く背景がわからない。競争環境については5F分析まで突っ込んでおき、単なるSWOTではなくクロスSWOTに基いて、マーケティング戦略の肝となるSTPを再確認し、仮想顧客のペルソナを描いておく。ここまでの一連の作業を行って初めて、コンテンツライティングを進める上での核心となる「顧客の課題=検索キーワード」をあぶり出すことができる。
準備をして状況を頭に入れた上で、顧客インタビューを行う。予め想定しておいた顧客の課題を参考にしながら、新たな課題や意外な使用法などを引き出すためには、臨機応変に対応して話を聞き出す技術が必要だ。相手(顧客)が、その分野でのプロであることを踏まえるなら、インタビュアーにもそれなりのキャリアが求められるだろう。
その上でのライティングである。文章そのものが読みやすいことは大前提であり、記事タイトル、リード、本論とまとめで語るべき内容(これこそがコンテンツだ)が適切なキーワードともにまとめられていなければならない。特にBtoBに限れば、マッキンゼー式ピラミッドライティングがふさわしいだろう。
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