ハロウィン騒動と幕末ええじゃないか

2015.11.02

ライフ・ソーシャル

ハロウィン騒動と幕末ええじゃないか

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/幕末の「ええじゃないか」は、豊作の分け前から取り残された使用人や若い衆の災厄払いの「勝手正月」として、東海道から全国に広がり、ついには幕府を転覆してしまった。現代のハロウィンも、若者たちの馬鹿騒ぎと甘く見ていると、少子化とあいまって、痛い目に遭うのは既得権側。/


 ええじゃないかが始まった7月14日は、まさにフランスの革命記念日。しかし、この国は、フランスや全学連のような暴徒の武装闘争ではなく、ええじゃないか、ええじゃないか、で、若いやつらが仮装して踊り歩き、誰が誰だかわからないまま、ニヤニヤと愛想笑いを浮かべつつ、無理デタラメをあちこちでゴリ押しし、酒食の飲み喰い、金品の巻き上げ、ゴミのまき散らしを続けているうちに、結局、国も社会もひっくり反ってしまった。現代もまたそのうち、少子化に乗じた仕事やバイトのスッポカシ、ゴマカシ、手抜き、屁理屈で、既存制度は内実から失われていくのではないか。連中をうまく操って、ガス抜きして、抑え込んでいる気になっていると、最後に痛い目に遭うのは誰か、もうすこしまじめに考えてみた方がいいのではないか。


(大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。著書に『夢見る幽霊:オバカオバケたちのドタバタ本格密室ミステリ』などがある。)

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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