いや、わかってて鵜呑みにする場合もあるんでしょうけど。そのほうがラクというか、波風立たないし、まあいいじゃん、ということで。昨年、いじめが激増というニュースを読んで、つらつら思ったことです。
昨日、参院議員の資産報告に関するインセンティブについて書いたが、実は、それ以前に書こうと思っていて、忘れていたことがあった。
昨年の11月か12月、全国の学校で「いじめ調査」の報告があり、前回の報告に比べて、いじめの数が激増した、というニュースがあった。覚えている方もいらっしゃると思う。
しかし、そのニュースを読んで、「ははあ、いじめが激増してるのね、いやな世の中だ」と、ストレートに受けとめた人は、そんなにはいなかったんではないか。
これはおそらく、「増えた」というよりも、「基準が変わった」ということなのだろう。現実が大きく変わったのではなく、現実を切り取る、その切り取り方が変わった、というか。
そして実際、基準も変わったようなのであるが、現実の切り取り方により大きな影響を与えたのは、実はインセンティブの変化なのではないか、と思ったわけである。
「いじめは少ないほどいい」から、「いじめが多いほど、それは率直さの現れだ」へ、というような。
ただし現実は、そんなに大きくは変わってないんだろうな、というのがミソである。
調査や報告といったもののアウトプットは、インセンティブに激しく左右される(場合が多い)。
組織のトップのみなさん、下から上がってきた調査や報告に接する際は、それがどんなインセンティブによるものか、ちょっと考えてみたほうがいいと思いますよ。じゃないと、現実とはかなりズレた像を見せられているのに、それに全然気づかない危険性がある。
結局、現実を正しく把握するためには、現場へ出て自分の目で見るのが一番だとは思いますが。
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