コンテンツマーケティングとバリューチェーンは切っても切れない関係だ。サービスを生み出すプロセスを振り返り、「コンテンツチェーン」として考えてみることで、コンテンツを新たにつくり上げることにつながる。
販売や営業スタイルにおいても同じことが言える。かつて爆発的なヒットをした商品が、瞬間的な売上を求めず、商品についてきちんと説明できる小売店にしか卸さず、小売店を選別していたのは有名な話だ。
営業スタイルも十分にコンテンツになりうる。ある証券会社が、「弊社は転勤がありません」と顧客との一生にわたる関係構築を訴求した広告もあったように、顧客視点のプロセス改革は、まさにコンテンツの中核とも言えるだろう。
この顧客視点のプロセス分析を行うにあたって、ひとつ重要な点がある。
ひとつは、自社自部門の商品・サービスが、顧客のバリューチェーンとどのようにかかわっているのかを考えることだ。B2Bであれば、顧客企業のバリューチェーンに必ず組み込まれているのだから、実際にどのようなプロセスにおいて、どのような貢献を果たしているのかを把握することはとても重要であり、売り手側が考えているコンテンツと買い手が考えるコンテンツとは異なる場合も少なくない。
B2Cにおいても、娯楽であれ学習であれ生活用品であれ、何か結果を出す、問題を解決するための商品・サービスであることには変わりはなく、一連のプロセスの中での貢献度合いを検証するのは必要なことだ。
もうひとつは、顧客のバリューチェーンプロセスが複雑化してくると、プロセス構築自体がコンテンツとなることがある。事業体の歴史が古いほど、過去のシステムやプロセスに固執してしまっていることも多い。
そうした顧客に対して、新たなプロセスをナビゲーションすることは、大きなバリューを生み出すことにつながることもあるだろう。
「コンテンツがない」と言う前に、自社および顧客のバリューチェーンを研究し、自社のコンテンツがどのようプロセスのなかに存在し顧客にどのように貢献しているのか、あるいは新たなプロセス提案はできないのか、こうした問いを常に持っておくことで、コンテンツマーケティングの効果的な継続が可能になるはずだ。
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