資生堂の業績は絶好調。 2008年3月期の営業利益は 580億円 と過去最高益を更新する見込みです。 (日経情報ストラテジー、FEBRUARY 2008)
売り上げ・利益とも前年を上回っており、
通期で売り上げ100億円、利益で20億円の上方修正
を行っています。
業績に大きく寄与しているのは海外事業。
海外の現地売上高は2桁の伸びです。
しかし、国内事業も、
化粧品市場が横ばいを続ける中、
店頭売り上げが1%増と堅調な結果を得ています。
こうした好調な業績の要因としては、ご存知
「メガブランド戦略」
の成功がありますよね。
(関連記事)
*資生堂のメガブランド戦略・・・悪魔のスパイラルからの脱却
http://www.mindreading.jp/blog/archives/200607/2006-07-11T1355.html
*資生堂のメガブランド戦略・・・ブランドではなく意味を多様化せよ
http://www.mindreading.jp/blog/archives/200607/2006-07-12T1403.html
従来は100以上もあった雑多なブランドを統廃合し、
資生堂が展開する各カテゴリー(17カテゴリー)の
それぞれでトップになれるブランドを確立するために、
経営資源を集中投下した。
まさに「選択と集中」を行ったわけです。
その第一弾が、
メーキャップ化粧品の「マキアージュ」でした。
そして、苦戦していたヘアケア分野では、
「TSUBAKI」
を投入。
発売初年度は50億円を超える予算を配分し、
一気にトップシェアを獲得しました。
同社社長、前田新造氏によれば、
先行投資型の製品であり、
3年目以降に利益が出ればOKとしていた「TSUBAKI」ですが、
計画をはるかに上回る1.8倍の売り上げを達成したおかげで、
当初から利益が出るようになったそうです。
一方、販売の現場でも大胆な改革を実行に移しました。
同社全社員2万6千人のうち1万人を占める美容部員
(同社ではビューティコンサルタント:BC、以下「BC」)の
「販売ノルマ」
を2006年春から撤廃。
顧客から直接評価してもらう仕組みに変えました。
(意外なことに、従来はBCの評価は、社内の支店長や部長が
行っており、直接の顧客からの評価を仕組みとして得ることは
やっていなかったのです)
(参考記事)
*脱ノルマ・・・資生堂の挑戦
http://www.mindreading.jp/blog/archives/200708/2007-08-30T1058.html
この新しく導入した顧客満足度調査は、
接客が終わったら顧客にアンケートを渡し、
自宅で回答して投函していただく方式です。
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2010.01.05
2014.05.01
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。