ロジカルシンキングスキル全般を「直感でわかる」ようにお伝えしていきます。今回は仮説思考を解説します。
2つ目は他人の期待を感じ取る訓練をすることです。
どうやればいいか?
これも簡単です。それはね、他人の真似をしてみることです。動きや表情、しぐさなどを真似てみる。真似てみて、どんな期待を抱いているのか、を想像してみる。これをずっとやっていると、少しずつ人が抱いている期待がイメージできるようになってきます。
訓練すると、後ろを歩いている人の喜怒哀楽まで当てられるようになったりするのですが、そこまでやる必要はないとは思います。
この感覚を鋭くする方法で私が分かっている一番効果的な方法としては、誰かと一緒に遊ぶことです。「鬼ごっこ」や「かごめかごめ」、「だるまさんが転んだ」などをやることによって、この能力が上がる。遊んでいると人の動きなどをどうしても感じ取って先を読むことが必要になります。それを楽しくやっているうちに少しずつそういう感覚が鋭くなってくるのです。
2012年と2013年に、こういった考えの検証のために、私は夏休みに伊豆大島に学生を連れて行って、遊び形式でワークをやってもらいました。
空気を読むのが苦手な人、人の期待を感じるのが苦手な人に、遊びから感覚的に人の動きを感じ取ることをわかってもらうということをやってもらうと、他人の期待に関心を向けることが非常にやりやすくなりました。
ビジネスマンが遊ぶことはなかなか難しいですので、自分の幼少期、子供の頃遊んだ感覚、他人の動きを感じ取る感覚を思い出してみることは意味があると思います。もしくはスポーツを通じて、人の動きに意識を向けて、期待を感じ取ろうとしてもらってもいいと思います。
こういった訓練を通じて、他人の期待のバリエーションをたくさん持つことができるようになる。そして、会社自体の期待というのも感じられるようになるわけです。
先に時制の問題が大きな問題だということを言いましたが、この他人の期待がわかるようになるということにも壁がある。この2つの壁を越えられれば、仮説を思いつくということがとてもやりやすくなるでしょう。
うまく伝わりますでしょうか?
次は、【 一般的「仮説思考」とここでいう「仮説思考」の違い】と題していわゆる仮説思考本に書いてある「仮説思考」とここで説明した「仮説思考」の違いについて、これまで説明したことをまとめつつ少し整理をします。
つまり、ここで説明していることで、いわゆる仮説思考本が書いてあることが漏れていることがあるということです。
しかし、ここでは仮説を思いつくということにフォーカスして、仮説思考について理解を深めてもらっており、そういったことにフォーカスした文章はこれまでにないですから、それなりの意味があると思います。
また、後で時間があれば「論点思考」、「フレームワーク思考」、「論理的思考」などを扱っていきますから、そこでいわゆる仮説思考本には書いてあって、ここで解説していないことは随時扱っていきますのでご安心いただければと思います。
【ポイント:誰かの動きを真似してみて、どんな期待を抱いているか当ててみる】
それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。
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2015.06.18
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。