非効率を追求する!

2007.12.19

経営・マネジメント

非効率を追求する!

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

ダントツ製品、すなわち 「突き抜けたオリジナリティ」を持つ製品づくりは、 当然ながら一朝一夕でできるものではないですよね・・・

ザ・リッツ・カールトン東京のスイートルームに
設置されるほどの圧倒的に魅力的な音を放つエムズシステムの

「波動スピーカー」

にしろ、一口食べただけで違いがわかる「男前豆腐店」の
豆腐にしろ、酒販店の店主に「今までで一番感動した」と
言わせた濃醇旨口の日本酒「十四代」にしろ、

「突き抜けたオリジナリティ」

を実現するためにとことん手間をかけています。

つまり、ダントツ商品の根底には「効率」とは真逆の

「非効率」

の追求があります。
(標準化可能なプロセスでの効率は追求するにしても)

人が面倒臭いと、あまり考えようとしないこと、
やろうとしないことをあえてやる。

手間を抜けば楽なところを
あえてとことんやりぬく。

こんな非効率なこだわりから、
自社製品のみがオンリーワンで存在する
独自のカテゴリーが生み出されるのだと思います。

もうひとつ具体例を紹介しましょう。

日本人の国民食である「お米」。

ありふれた食材ながら、

「全国 米・食味分析鑑定コンクール」

で4年連続最高得点、つまり
「日本一おいしい」と認められた米があります。

山形県高畠町、上和田有機米生産者組合の
遠藤五一さんがつくる「完全無農薬米」です。

稲作りで一番やっかいなのは雑草。
農薬を使えば楽に雑草が除去できます。

でも、遠藤さんは、人の体が蝕まれ、また
自然の生態系を破壊する農薬を使わない米作りに
取り組んできました。

田植え後の約3ヶ月もの間、
遠藤さんは毎日腰をかがめながら手作業で
雑草を取り除く日々だそうです。

しかし、これだけの手間と愛情を注ぐ

「遠藤さんの完全無農薬米」

は、一般に販売されているお米の4-5倍で飛ぶように売れる。

非効率を追求しているからこそ、
これだけの高い価値が生まれるわけですよね。

さて、こうした非効率を追求することによって
成功している企業事例が豊富に掲載されている本が
あります。

『非効率な会社がうまくいく理由』
(中島セイジ著、フォレスト出版)
アマゾンはこちらから

同書には、無添加せっけんの「しゃぼん玉せっけん」や、
マルセイバターサンドの「六花亭」、イエローハットなど、
比較的よく知られてる事例も出てきますが、
私が特に「面白い」、というか「すごい」と思ったのが、
東京・江東区にある「丸山工務店」です。

例えば、建て替えをする場合、
施主は数ヶ月は仮住まいをしなければなりませんよね。

丸山工務店に頼むと、自社所有のマンションや住宅を
無料で提供してくれるのです。

維持費などを考えると、
多少とも賃貸費をいただいてもよさそうなものですが、

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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