2014年の2つのトレンド-協働とサスティナビリティ-

2014.12.25

経営・マネジメント

2014年の2つのトレンド-協働とサスティナビリティ-

野町 直弘
調達購買コンサルタント

今年は一見静かな年でしたが、実は将来振り返ると2つのトレンドが出てきた年になったことでしょう。それは協働とサスティナビリテぃです。

2点目は「サスティナビリティ」というキーワードが上げられます。直訳すると「持続可能」という意味です。調達においても「持続可能性を考慮した調達」をすすめましょう、という考え方ですが、これは欧米企業からはじまり、日本企業にも大きな影響を与えつつあります。
ISO26000ではCSR(コーポレートソーシャルレスポンシビリティ:企業の社会的責任)が定義され、多くの日本企業でもCSR調達という概念からサプライヤのリスク管理を行っています。このCSR調達の中でサスティナビリティという概念と近い「グリーン調達」を包含する形で取組みが進んでいました。しかしグリーン調達はどちらかというと有害物質を含まないなどの法規に対する遵法を求めるものにすぎません。それに対しサスティナビリティは「責任あるサプライチェーン管理」を特に最終製品等を製造する企業(先進国側)が川上にある途上国側も含めて行うことを求めています。

例えば資材や原材料の調達が途上国側の自然破壊や環境汚染につながっていないことや、人権を無視するような労働条件や労働環境によって実現された低コストでないということ等を先進国企業側が保証するということです。つまりサプライチェーンに何らかの無理や無駄があると、それは持続可能ではない、つまりサスティナブルではないということになります。

これらの2つの視点は既に多くの企業で重要な項目として捉えられはじめています。また共通するのは「コスト至上主義」からの訣別という点と言えるでしょう。来年は調達・購買分野でもサプライチェーン全体の強化を目指し、一方でこのような「脱コスト至上主義」的な動きが益々出てくることをプチ予言しておきましょう。

それでは皆様よいお年をお迎えください。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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