15-6年前にあるジョークがはやりました。その当時はただ面白いな、と思っていましたが、今考えてみると多くの洞察が含まれています。
西村氏は「日本の半導体メーカーはファウンドリを見下ろす姿勢を続けるうちに、ファウンドリに製造技術で追い越され、自らファウンドリになることも、ままならなくなってしまった。」と述べています。
これらの分析が正しいかどうか、様々なご意見があることでしょう。しかし、この記事を読んで私は日本企業のガラパゴス的な観点を感じざるをえません。
日本企業が個別企業の枠内で国内企業同士のシェアなどの近視眼的な競争に夢中になっていて、海外メーカーは「あそこは品質が悪いから問題外。」などと高をくくっているうちに新しいルールやビジネスの仕組みが作られてしまい、その新しいルールでやられてしまう。よくあるパターンなのです。
そう、冒頭のマイクロソフトに関するジョークのように、ややもすればこのような電子デジタル業界を見下していた相手が今はその問題を解決し、彼らが作ったルールの元でやられてしまう。私は西村氏のこの執筆を読んで、このような思いを感じ、冒頭のジョークを思い出したのです。
そう、これはどこの業界でも起こり得ること。
次回は電子産業と並ぶもう一つの日本産業の柱である自動車産業の競争力の展望について述べます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。