「ライフハック」という言葉がしばらく前から話題だ。 はてなダイアリーによれば「効率良く仕事をこなし、高い生産性を上げ、人生のクオリティを高めるための工夫」とあり、デビッド・アレン著の「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」が紹介されている。
忙しい朝、1時間目的地に早く着いたら、あなたは何をして過ごすだろうか。
時間の使い方についての、筆者なりのライフハック的話題をお届けしたい。
筆者は企業研修講師の仕事が現在、業務の三分の一を占めている。
研修にはクライアント企業の社員が業務時間を割いて、各地から出席してくる。
そんな中、講師が「遅刻しました」では洒落にもならない。いや、寝坊するなどというとぼけた理由ではなく、危ないのは交通機関事故だ。
企業の研修所は出席者を日常業務から隔離するためか、郊外にある場合も多い。移動距離が長くなるとその分危険性も増す。また、経験的に、特に人身事故は朝8時台に起きると思っている。すると、8時前には研修所のある駅には着いていなければならなくなる。
故に、通常ではあまり考えられない、「朝に1時間の余裕」ができるというわけだ。
元々朝型、というよりも夜よりも朝に無理が利くタイプだったのかもしれない。
前職で管理職を拝命した三十代前半の頃、プレイングマネージャーであったことから、自分の仕事の時間確保が難しく、始発通勤をしていたこともあった。
しかし、日常業務のために朝、時間を作るのと、業務と切り離された時間ができるのでは意味合いが違うようだ。
1時間では通常の業務を行おうと思っても、なかなかペースが上がらないうちに時間切れとなってしまう。その制約条件の中でいかに価値ある時間の過ごし方ができるかを、研修の仕事が増えてから真剣に考えた。日々、1時間を漫然と過ごしてしまうにはあまりにもったいないからだ。
新聞を読む。ものを読むのは早いほうなので、1時間あれば、普段は読み飛ばしてしまうような記事まで読み込むことができる。ほとんど耽読というレベルだ。思わぬ発見がある。いや、正確には、「何かを発見するまで読み込む」のである。
本を読む。恥ずかしながら、あまり読書の時間が普段とれない。月に何冊も読破する知人のマーケターにはいつも頭が下がる思いなのだが、とはいえきちんとインプットしなければ枯れてしまう。「1時間集中読書」は時間を決めずに読んでいるよりずっと集中でき、後で思い出してみても富士気とよく内容が頭に残っている。
人の流れを眺める。外の風景が見える喫茶店などに席が取れれば、タウンウォッチの格好のチャンスだ。1時間たっぷり人々の姿を眺める。これもぼんやりと眺めるのではなく、必ず何んらかの「意味合い」を見つけてメモを記す。抜群な思考トレーニングにもなり、それがBlogのネタにもなる。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2007.12.23
2007.12.25
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。