一連の投稿記事今回で最終です。今回の投稿では、分業と手中を実現したセンター型の営業要員のスキル育成に関して解説します。
■本モデルにあった要員とは
同じコールセンター要員でも、インバウンド系、すなわち顧客サポート系の要員と、本モデルでのアウトバウンド系では違った性質の要員が必要です。インバウンドでは目的をもって電話をかけてきたお客さまに対して正確にかつ効率よく対応することが要求されます。あらかじめ想定される処理や質疑に対して準備をしておき、短時間でお客さまの目的を達成することが求められます。そしてもっとも重要なことはお客様からの電話が鳴って初めて作業が開始することです。すなわち受身での作業スタートです。
アウトバウンドでは、こちらからの電話から作業が始まります。つまり、電話をかけなければ何もはじまりません。言い換えればこちらから電話をかけられる要員を配置する必要があります。しかし、これがなかなかうまくいかないのが現実です。
インバウンドと違い、お客さまは電話をする意思はありませんし、最初はこちらと話をする目的をもっていません。こちらの都合で電話をかけることになるのです。もちろん関係を構築して、こちらからの電話を待っている、あるいは歓迎する、苦にならないレベルまで達成することが目標ですが、最初は歓迎されない、あるいはわざわざ時間を割いてもらう電話をこちらからすることになります。
このアウトバウンドの性質を理解しないまま、同じコールセンター要員だから慣れているだろうという発想でインバウンド要員をシフトしたり、インとアウトを同じ要員にさせたりするとうまくいかなくなります。
アウトバウンド、すなわち本モデルでは電話要員は営業マンであることをまず認識しなければいけません。こちからら積極的にコミュニケーションをとれる人材が必要です。電話を待っていて、定型的な作業を効率よく実施するタイプより、断られてもめげずにお客さまに電話ができて、そこからお客さまと会話が始められるような攻め型タイプの人材の方が相応しいのです。
最近ではIT技術が進化して、電話を制御するCTI(Computer Telephony Integration)を使えば、インバウンドとアウトバウンドを効率よく時間配分しながらできるような環境も整備されてきております。しかし、技術的にできるからでは失敗します。同じ電話でも性質の違い、それを担当する人材の違いを考慮して運用体制を組まなければ効果は発揮せず、高いITを導入したが宝持ち腐れという状況にもなります。
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