私が考えるプロのバイヤーとアマのバイヤーの違いとは?
先日、ある企業さんにご依頼をうけ、社内のバイヤーに対する
講演をする機会がありました。
その企業さんは日本の伝統的な企業でありながら、
バイヤーの人材育成や意識改革を目的に委員会を設置し、
私のような購買関連のコンサルタントだけでなく、
様々な分野の専門家から講演を聞く機会を作っていました。
また通常であれば、ノウハウや手法、ソリューションなどの
テクニカルな話が中心となる講演ですが、上記の様な目的から
"意識改革を図るような内容で"との依頼でした。
今回の講演で"バイヤーの方々の意識改革を促すことができたか?"
という点はともかく、このようなバイヤーの人材育成に注力している
企業さんがあること自体がびっくりでした。
また、多いに感心すべきことで、他企業も見習うべきだと思いました。
このセッションの中でも取り上げたのですが、
「プロフェッショナルバイヤー」とはどういうバイヤーなのか、
今回のメルマガでは、私の考えを書きたいと思います。
前にもどこかで述べたかもしれませんが、
私は「”バイヤーはサプライヤさんの工場長”であるべきだ」
と日頃言っております。
バイヤーはサプライヤさんにとって自社内(バイヤー企業での)での
唯一の窓口(というよりも立場)であると同時に、
自社内の社外(サプライヤさん)に対する唯一の窓口でもあります。
つまり、対サプライヤさんでは、会社を代表する人間として立ち回り、
社内に対しては、唯一サプライヤさんの立場で
立ち回らなければならないのです。
そのため、多くのケースで利益は背反します。
ただ、優秀なバイヤーは利益背反を起こしません。
お互いにとってウインになる状況を作ることに専念します。
「工場長」であれば、当然のことながら、自社に欠けている機能を
その工場を使ってうめていくことを考えます。
一方で「工場長」は常に最終製品の競争力強化を意識し、促します。
結果的にお互いにとってウインになる状況を作り出すことができます。
短期のコスト削減は比較的容易いものです。
しかし、2年目、3年目となり、更なるコスト削減を行っていくには、
サプライヤのコストを低減していくところにまで
踏み込んでいくことが必要になります。
継続的な価格削減だけでなく、サプライヤの工場長として
サプライヤのコスト削減を推進する。
またコストだけでなく、自社の欠けている機能を満たすような
先進技術を見つけ出す。
QCDD(最後のDはデベロップメント)の良いところを見つけるだけでなく、
自ら育成する。
すなわち、短期ではなく、中長期でのサプライヤリレーションを
重要視できるのが「プロフェッショナルバイヤー」だと思います。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。