営業の世界は現実的には泥臭く、気合と根性はある程度必要です。が、成長には気合と根性だけではダメです。ちょっとした科学的マネジメントを取り入れるだけで、気合と根性に大きな武器が加わるのです。 今回の投稿ではそのちょっとしたマネジメントの工夫として、2つのマネジメント手法に関して解説します。
営業組織とは工場ラインとは違って人の活動が全てです。しかもお客さまというこれまた不確定な人を対象にした活動です。したがって、組織文化や人のモチベーションを考慮した変革が必要となります。「受注管理から見込管理への変更」という理論上は当たり前のような変更でもこうしたことが成功要因となります。
・営業トップから末端の営業マンまで含めた見込管理への変革の重要性を理解する
・営業組織文化の良い面で残すところ、悪い面で変えなければいけないところを認識する
・営業会議のやり方や、営業マンの評価項目の見直しをする
・自社にあった使いやすい商談管理システムの導入
・営業マンが商談状況を入力するメリットを明確に出す
・決して従来の営業文化での評価や賞賛はしない(特にトップ層)
といった地道な活動を継続することにより、受注管理から見込管理への変更が実現されていきます。
■ パイプラインマネジメントの導入
見込管理を徹底して、受注予想を立てて、事前に施策をうっていくサイクルを回すための基礎データを取得、管理するための手法がパイプラインマネジメントです。
第3回目の投稿で営業プロセスの分業化に関して記載しました。パイプラインマネジメントとはその分業化単位を基本として全社の商談が今どのプロセスにあるかを把握することです。
法人営業は一回のコンタクトで白黒がつく商談は稀です。長いプロセスを経て受注ステップへと進みます。全社レベルでどのプロセスの商談が何件あるのかを把握することにより、将来の受注見込を予想したり、どのプロセスの商談数を増やすべきか、そのために何をするべきかを検討するための基礎数値として活用します。
パイプラインマネジメントを導入することにより、受注結果を評価する際にも単純に結果のみを評価のではなく、どのプロセスの効率が良かったのか、悪かったプロセスをどう改善すればいいかの判断が容易になってきます。
つまりパイプラインマネジメントを徹底することにより、
・現在自社が抱えている現時点での商談のプロセス別の状況が把握でき、受注見込予想や改善すべき対策立案が容易になる。つまりBS(バランスシート)的活用
・一定期間の営業組織のパフォーマンス結果として、営業生産性を把握して、改善点を見つけ出していく、つまりPL(プロフィット&ロス)シート的活用
の2つの活用方法が考えられます。
受注管理から見込管理への変更と同様に、パイプラインマネジメントの導入も単に今までの管理に加えるといったことでは作業負荷がかかるだけで効果が出ません。
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