「ソト×ナカ」の化学反応を(千葉県・金谷)

2014.04.17

ライフ・ソーシャル

「ソト×ナカ」の化学反応を(千葉県・金谷)

「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
合同会社RegionWire

2014年2月、全国の地域活性プレーヤーによるピッチイベント「FANCLUB」が開催された。お目当てのプレーヤーを目的に参加したのだが、話を聴いてみると取り組みはともかく“人”に共感が持てず、正直期待外れだった。しかしながらそれまでは存じなかったものの“想い”がひしひしと伝わってくるプレーヤーにも出会うことが出来た。 今回紹介するNPO法人KANAYA共同代表の金子愛さん、西田直人さんもそんな熱い“想い”の持ち主だった。

このように「デジタル」「リアル」を上手く組み合わせながら情報発信を進めているが、その際に意識することは「地元住民と外からの若者の連携」を如何に訴求するかだという。

「外から来た人たちは若い人が多いので、さもすると都会の若者が他所の土地で好き勝手にやっているという誤解を与えかねません。したがって、なぜ私たちが金谷に来たのか、私たちは金谷で何を実現したいのかという想いをきちんと語るとともに、地元の方々と若い人たちとが一緒になって取り組んでいることをきちんと発信できるように意識しています。」(西田さん)

■都会と田舎を共存させる新たなライフスタイルを見つける場

KANAYA BASEをオープンして約2年、従来はKANAYA BASEを軸にした取り組みが中心だったが、残念ながら老朽化によりKANAYA BASEは2014年末をもって閉鎖することが決まった。とは言え、地区内に古民家のゲストハウスをオープンさせたり、また金谷だけでなく周辺地域との連携も強化したりするなど、今後もさまざまな形で地域活性を推進していきたいという。

「金谷は東京から約1時間という距離にあるので、都会一辺倒ではなく都会と田舎を共存させる新しいライフスタイルを模索し、そして見つけることが出来る、そんなきっかけの場にしていくことが出来ればと思います。」(西田さん)
「中にいては気づけないことも多々ありますので、外の人と中の人とをつなげて、そしてそこから地域を盛り上げていく、そんな役割を今後も追求していきたいと思います。一方で外の人が出来ることはあくまで“きっかけ”づくりであり、最終的にはやはり中の人が主体的に取り組まなくては持続可能な形での地域活性は難しいと思います。したがってまずは「ソト」という立場で金谷に“きっかけ”を作った後は、今度は「ナカ」という立場で私自身の故郷の地域活性にも貢献していきたいと考えています。」(金子さん)

日本各地で移住施策を進める地域が多いなかで、各地域が単体で移住者を奪い合っても限界があるだろう。

そんななか金谷は首都圏から近いので、将来的に移住を検討している都会の人たちに対して、まずは気軽に田舎ライフを体験できる場としてポジショニングをとり、移住関心層を移住検討層へ変容させることで、金谷にとってはもちろん、日本各地にとっても意義が高いものになるのではないだろうか。

「移住関心層の態度変容を促す場」、そんな場があっても良いのかもしれない。そんなことを感じた今回の訪問だった。

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