マーケティング&営業戦略の基本は、「誰に」、「何を」、「どうやって」売るか、を決定することです。この基本的な考えに基づいて、法人営業を主としたビジネス展開する企業の売上拡大策を整理します。
たとえば、コンシューマビジネスではダイレクトメールによる企業サイドコミュニケーションを実施して、そのレスポンスを待つというケースがありますが、法人営業の場合はダイレクトメールを送ったとしても、こちらから常に能動的にコミュニケーションをはたらきかけないと商談は生まれないし、また生まれた商談も進まないケースがほとんどです。
したがって、このこちらから働きかけるコミュニケーションの量を多くすることが重要になります。
そして、そのコミュニケーションは二つの観点での量の増やし方が必要です。
まず一つ目は、コミュニケーションをする相手企業の数を増やすということです。先にも説明したように、法人営業の場合は能動的にこちらからコミュニケーションをしないと商談は生まれません。店で待っていても商談は生まれないのです。しがたってコミュニケーション相手数を増やさない限り商談の数を増やすことができないことになります。営業マンの活動で言うと、訪問する顧客の数を増やさないことには数多くの商談も生まれてこないということです。
こういう説明をすると、
「ちょっと待てよ。20対80の法則があるだろう。実は顧客の20%が売上の80%を占めており、闇雲に数多くの顧客とコミュニケーションをとるより、上位の20%の顧客としっかりとコミュニケーションをとった方がいいのではないか?」
と異論を唱える方もいらっしゃるでしょう。
それはごもっともで、その考え方に反論をするつもりはありません。しかし、本投稿で取り上げいる話題は、劇的に営業力を向上して、劇的に売上を拡大する営業変革に関する戦略です。顧客を維持して、着実に売上をキープする施策であれば上位20%に注力した施策でもかまいません。しかし、全社レベルで劇的に売上を伸ばすためには、コミュニケーションする顧客数を劇的に伸ばさない限り、その可能性は低くなります。
本論点は営業活動の質の向上を追う場合の落とし穴として、このあと再度整理します。
そして二つ目のコミュニケーション量が、一企業に対するコミュニケーションの量です。法人営業の世界では、たった一回のコミュニケーションで商談が生まれ受注するということはほとんどありません。一顧客に対して数多くのコミュニケーションをとることにより商談が生まれ、醸成され受注・契約につながっていきます。
営業マンの活動で言うと、初回訪問だけではなく何回も訪問することにより顧客との人間関係が構築されその中から商談がうまれ、提案の機会を与えてもらい、さらに顧客のニーズを探るべく訪問を繰り返し、最適な提案ができて初めて受注に至る、といった状況です。また契約後も密にコミュニケーションをとり続けることにより、他社の参入を防いだり、リピートオーダーの機会をみつけたりします。
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