2014年1月、あらゆる業界で新年会が開催されています。挨拶周りなどもあり、久々の人との再会も多いことでしょう。新年早々、記者会見を開く企業もあり、心身ともに引き締めなくてはいけない場面では、やはり白シャツを選ぶ人が多いようです。著書『できる人はなぜ「白シャツ」を選ぶのか』では“基本”のキーワードである「白シャツ」ですが、実際にはどのように着こなすと印象マネジメントとしてプラスになるのでしょうか。
3つボタンの場合は、Vゾーンの面積が狭いので、そこをすっきりと見せるためにも、ワイドかセミワイドで身頃部分をなるべく見せる工夫が必要です。本来が若々しい印象の3つボタンですから、シャツの衿も開放感のあるワイドにすることで印象の整合性がとれるというわけです。ネクタイの結び目はダブルノットかウインザー・ノットで大きめにすることで衿の開きにほどよく合うバランスをつくります。ただし、背が低めで華奢な男性があまりに大きな結び目をつくってしまうと、七五三の子どものような未熟な印象になりがちですので、注意しましょう。
そして、何よりも主役である着用する人の顔型や体型を無視してはいけません。顔が横に大きく、顎が張り、恰幅のよい男性にレギュラーカラーでは、衿がやけに小さく見えてしまい、貧相な雰囲気をつくりかねません。衿羽が大きく、衿台も高い、ワイドかセミワイドをお薦めします。
とにもかくにも、装いというのはそれぞれのアイテムが調和しながら全体の印象をつくっています。著書にも書きましたが、仕事と同じように、ビジネスマンの個々に能力や個性がありますが、その構成員が調和してこそグループとしての成果が決まります。ひとりだけが浮いてしまっては本来の目的を達成することは難しくなります。服装もそれぞれに個性があり役割があります。それらが調和してこそ印象マネジメントとしての結果がでるというわけです。
先程の記者会見の話しに戻りますが、同じ白シャツでもテレビで観ていてわかってしまうのが衿の形。ところが、素材感というのはテレビではわかりません。対話をするぐらいの距離に近づいてこそわかるものです。ところが、ビジネスシーンでもっとも多いコミュニケーションは対話する距離です。そんな何気ないコミュニケーションであなたのブランドイメージが日々決まっていきます。とくに、ジャケットを脱いだ状態で接する時空間ではよりシャツの素材感の影響度は高まります。女性というのは男性よりも細かい部分をチェックしています。視覚、触覚で本能的にいろいろなことを感じ取ります。つまり、素材感を無視して印象マネジメントは語れないのです。
大学で繊維化学を専攻した私にとっては、素材の話しになるとあの実験室の日々を思い出し、頭がくらくらしてくるほど。それは、衿の種類どころではないからです。
ただし、実際に相手に与える印象に言及すれば、白シャツのポイントは生地を構成する糸とその織り方だけといえるでしょう。
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ファッション
2014.01.12
2023.06.07
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役
「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。