本記事はチームビルディングの視点で、職場で日常的に起きている課題の本質について書いてみました。少しでも皆様の参考になれば幸いです。
この初期段階のチーム状態は、概ね2つの典型的な形を持っています。
一つは、見るからにメンバー間のコミュニケーションが少なく、チームの雰囲気も冷ややかでエネルギーも低い状態です。この状態のチームは「事なかれ主義」や「責任の所在が曖昧」といった傾向を持ち“混沌”がチームを支配しています。
もう一つの典型的な形は、一見メンバーは明るく楽しそうにしているものの成果がでていない状態です。これは一般に「仲良しクラブ」と言われるものです。チーム状況は先ほどと変わらないのですが、何となく気楽な状態を維持することが目的化し、「KY」に代表されるように、場を乱すことへの潜在的な“恐怖”と成果に対する“無責任”がチームを支配しています。
どちらも良く見られる光景です。
このようなチーム成長の初期段階では、チーム力(チームシナジー)が生まれることは無く、個々のメンバーの力も本来持っているポテンシャルの一部しか発揮されていません。
結果として、チーム全体のパフォーマンスもとても低い状態です。
このように表面的な現象に惑わされず、現状の組織の状態(成長段階)をしっかり見極めて、その状態に適した対応を取ることで、無限に出続ける泡(課題)一つ一つに対処するのではなく、泥水そのものを浄化し、現象としての泡が出なくなる取り組みが可能となるのです。
■チームビルディング導入例に見る成果
さて、ここからは、実際にチームビルディングを自分の組織に導入した、大手通信企業の管理職へのインタビュー内容(質疑応答)をお伝えしたいと思います。
(ア)なぜ、チームビルディングを学ぼうと考えたのですか?
友人と「近頃、若手社員の育成が思うようにいっていない」というような会話をきっかけに、なぜそのようになったかを話していたら、
・若手社員は、短期間で多くの技術や作業方法を学ぶ必要があり、個人にかかる負担が大きい
・机上の技術習得は個人で対応できるが、業務ノウハウは職場の先輩達とのコミ
ュニケーションが必要で人間関係が重要。世代によるギャップもあり、なかなか良好なコミュニケーションができていない場合もある
そんな中、「チームビルディング」という手法があると紹介され、応用できないか学んでみようと思いました。
(イ)チームビルディングを学ぶことで解決したかった課題は何ですか?
自分自身のマネジメントスタイルを変えたかった。
自分が描いている方針や業務のゴールを共有して欲しかった。
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2010.03.20
2015.12.13
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。