本記事はチームビルディングの視点で、職場で日常的に起きている課題の本質について書いてみました。少しでも皆様の参考になれば幸いです。
誰も新しいことにチャレンジしない
そもそもやる気が感じられない
・・・・・etc
しかし、その対症療法的な取り組みで課題は減ったでしょうか?
個々の課題解決はモグラたたきと同じ行為です。真因の解決がなければ、目先の課題を解決したところで、形を変えてまた現れます。私達はいつまで、このような行為を続けるのでしょうか。
そして、私達がはっきりと気付かなければならないことは、これらは課題ではなくチームの成長不全が生み出す現象なのだと言うことです。
現象とは濁った水から湧き出すガスの泡のようなものです。泡をいくら払ったところで、次ぎから次へとどんどん湧き出してきます。
泡は濁った泥水が作り出す結果(現象)です。ですから、泡に直接アプローチする表面的な手段では根本的な解決はできないのです。
■土台強固にする組織創りのアプローチ
では、どうすればいいのでしょうか?
もうお分かりだと思うのですが、泥水そのものを浄化するアプローチが必要です。それがチームビルディングという手法であり、アプローチなのです。
チームビルディングでは、組織の状態を成長段階という尺度で測ります。成長段階は4段階あり、その段階ごとに組織で起こる現象には共通点があります。
ですから、現在、職場で起こっている現象から自組織の成長段階を見極め、次の成長段階へ進むための処方箋をしっかり把握し、適切に実行すれば、泡(現象)の量は自ずと少なくなっていきます。
ここで、チームの成長段階の1段階目を例に説明します。
第1段階(チーム成長の初期段階):様子見段階
どのような組織もまず、この段階から始まります。
この段階は「様子見」と言う言葉に象徴されるように、互いに顔色をうかがいながら、波風が立たないように、大きな責任を負わないように、自分を守りながら、メンバーは決められたことだけを実行している状態です。
つまり、このような状態が引き金となり、冒頭からお話した泡(課題)を生成しているのです。
上司の指示通り部下が動かない
目標や情報が共有されない
報告、連絡、相談がしっかり行われない
誰も新しいことにチャレンジしない
そもそもやる気が感じられない
・・・・・etc
以前、〝空気が読めない人〟のことを指す「KY」という言葉が流行りましたが、
「KY」=「様子見」です。
この段階の組織のメンバーは、自分の殻から出ずに、周りの様子を伺いながら自分自身を守ることが最大の関心事となります。
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2010.03.20
2015.12.13
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。