エンゲージメント、エンゲージメント・マーケティングとは何か?

2007.11.27

営業・マーケティング

エンゲージメント、エンゲージメント・マーケティングとは何か?

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

最近のマーケティングにおける、 最もホットな「バズワード」(流行り言葉)のひとつに 「エンゲージメント」 がありますね。 (実は「エンゲージメント」は、  人材マネジメント業界においてもホットなバズワードですが!)

を目指した具体的なマーケティング施策のことを

「エンゲージ・マーケティング」

と呼ぶのだと私は考えています。

さて、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、
「エンゲージメント」の基本思想は、

「CRM」(Customer Relationship Management)

のそれとほぼ同じです。

どちらも、対象ユーザーとブランド(企業を含む)との
関係性強化を狙うものだからです。

ただし、「CRM」は、どちらかといえば企業本位の視点が
強かったのに対し、「エンゲージメント」では、
企業のマーケティング活動の成果を対象ユーザーの深いレベルの
心理面や行動面の変化で評価しようとする点が異なると言えます。

問題は、「エンゲージメント」をどう測定するかですね。
この点で、米国でも日本でも論争が続いています。

行動面の評価指標の候補としては、例えばインターネットなら

サイトの滞在時間、ブログでのキーワード頻出数、
コメント数、トラックバック数

といったものが挙げられます。

一方、心理面の評価指標は、目に見えない心理状態を
把握するわけですから、なんらかのアンケート調査を行うか、
人間の脳を直接測定する「神経生理学」(ニューロサイエンス)
の手法を採用することが考えられます。
(このニューロサイエンスを活用したマーケティングである、
「ニューロマーケティング」も最近のバズワードのひとつですね)

ニューロサイエンスはまだ敷居が高いのですが、
アンケート調査による、対象ユーザーの心理状態の把握については、
すでに利用可能と思われる先行指標があります。

それは先日ご紹介した、

「BRQ:Brand Relationship Quality」

です。

「BRQ」は、10年ほど前に開発された評価指標ですが、
ブランドの関係性の「質」を測定するものです。

具体的には、

“消費者が、ブランドに対して持っている感情的なつながり”

を評価します。

これは、「エンゲージメント」で言われる「心の絆」に
他なりません。

「BRQ」では、次の7つの軸で「心の絆」の強さを見ます。

1 親密さ(Intimacy)
2 こだわり(Commitment)
3 パートナー品質(Partner Quality)
4 今の自分とのつながり(Self-connection)
5 愛着(nostalgic feeling)
6 相互依存(Interdependence)
7 愛情(Love/Passion)

そして、この7つの軸の強弱を競合ブランド間で比較分析
することなどによって、具体的なマーケティング施策を
立案することが可能です。

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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