学生の就職活動が本格化している。リクルートキャリアはビッグデータを活用したことで、これまで分からなかった就活生の動きが見えてきたという。中でも女子学生の行動パターンにはある特徴があった。それは……。[土肥義則,Business Media 誠]
リクルートキャリア(以下、リク):自分に合う企業から内定を獲得するために、学生はどうすればいいのか。これまで蓄積してきた膨大なデータを分析したところ「多くの企業で面接が始まる4月までに視野を広げ、ある程度企業を広く選んでアプローチすることが大切」といった話をしました。
土肥:でも大半の学生は就活が初めてのことなので、どうすればいいのかよく分からないといった人が多いですよね。
リク:ですね。そこで私たちは、学生にこのような参考情報を提供しました。「内定を獲得した先輩は、○月までにこれだけエントリーをしていましたよ」と。
土肥:そういえば私が就職活動をしているときにも、資料請求の話をよくしていましたね。「お前、何社に資料請求した?」といった感じで。で、たくさん請求している人がいると、妙に焦ったりして(笑)。いまの学生でいうと、エントリーシートになるのかな?
リク:「エントリーシート、何社に出せばいいですか?」という質問は多いですね。どのくらいエントリーしたらいいかの目安は「その学生の志望する業界」「勤務地の求人倍率」「内定がほしい時期」など、さまざまな条件によって違ってくるんですよ。
土肥:でも「就活生の平均エントリー数は○○件」といった数字、目にしますよね。
リク:エントリー数は条件によって違ってくるのですが、根拠のない数値ばかりが横行してしまうと、学生は間違った方向に進んでしまうかもしれません。なんとかしなければ……と考えていたところ、膨大なデータを処理できるビックデータを使って先輩たちの行動を分析することができました。そして学生のさまざまな属性や志向に応じて、その学生に必要な目安エントリー数を伝えています。
また学生の属性に応じて「“合う企業”の一覧を作ることはできないだろうか?」という話になりました。実際にいくつか一覧を作って、すでに効果を出すことができました。
土肥:それはどんなモノですか?
リク:学生の人気企業ランキングを作りました。字面だけをみると、よくありがちなモノですよね。ECサイトなどでよくあるこの手のランキングは、たいてい選択される側(商品)の属性で一覧になっています。例えば「掃除機の人気ランキング」の場合、掃除機がズラっと並んでいますよね。
一方で「掃除機を買いたいそうな人が他に見ている商品ランキング」の場合、「掃除機」「掃除機の紙パック」「雑巾」「ほうき」「洗剤」など、掃除をするという目的に照らした商品が出てきます。リクナビの人気企業ランキングは後者の方向性で開発しました。
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