船場吉兆のように、店に来られたお客様までをだますのは論外だとして。 BtoBで産業材を扱うメーカーはエンドユーザーからの距離が遠くなりが ちだ。そこでこそ大切なのが『エンドユーザー・ファースト』、いつも最 終ユーザーのことを考える想像力である。
と考えれば、この構図は一企業内でも当てはまるはずだ。社内業務の流れ
に従えば、自分の業務成果を受けて次の作業に取りかかる相手が社内での
ダイレクトユーザーである。業務を遂行する上で何らかの意思決定を求め
られるときに、自分のダイレクトユーザーのことだけを考えていては判断
を誤る恐れがある。たとえばミートホープ社の事例などがこのケースでは
なかったか。
いくらダイレクトユーザーに喜ばれたとしても、それがエンドユーザーを
裏切ることにつながるなら、その行為は必ずいつかどこかで報いを受ける。
「天網恢恢粗にして漏らさず」という。ましてや、今のように誰もが情報
の発信者、通報者、密告者たり得る社会となれば、エンドユーザーに意図
的に不利益をもたらしてしまえば、その一点だけで企業は破滅に追いやら
れるリスクを抱えることになる。
エンドユーザー・ファースト、これがこれからのあらゆる企業が心すべき
テーマなのだと思う。そして、これを実践するのは実は簡単なことなのだ。
自社で扱っている製品のエンドユーザーが自分の大切な人だったとしても、
その製品を自信を持ってダイレクトユーザーに委ねることができるかどう
か。常に心の中でこう問いかけながら業務に携わっていれば、決していい
加減なことはできないはず。
エンドユーザー・ファースト、この心構えこそがこれからの日本の強さを
支える柱になると思う。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26