インタビューを受けるアフォ

2012.12.24

経営・マネジメント

インタビューを受けるアフォ

坂口 孝則
未来調達研究所株式会社 取締役

インタビューを受けるアフォの日記である。

先日、某誌のインタビューを受けた。

「最近、飲食店の不祥事が続いている。品質に問題のある食肉を出したり、賞味期限切れの食品を提供したり。最近、飲食店のモラル低下を感じないか」

まず、「品質」とか「賞味期限」の定義が先でしょう。

「いや、たしかにそうだが、世間一般の感覚とズレているように感じる。行き過ぎた『もうけ主義』があるのではないか」

その飲食店も「世間」の一部ですからね。

「……。いや、そうかもしれないが、『もうけ主義』というか、なんでも、利益が出ればいいという……」

それはメディアでも同じですよね。

「ただ、食の安全は守ってほしい」

情報の安全も守ってほしいですよ。

「とはいえ、これまで『安全』と思っていた飲食店から不祥事が起きたのは事実であって……」

たとえば、アメリカで犯罪が起きたとしますよね。そのときに、アメリカ人全体が犯罪者であるとか、アメリカ人全体のモラルが低下しているとか言えますか? それはあくまで個別事例なわけですよね。

「ただし、歪んだ格差社会が犯罪を生む温床になっているかもしれない」

ということは、問題は飲食店とか犯罪者ではなくて、社会全体にあるということにすぎないかもしれない。

「いや、それは……」

ところで、御誌の記者のかたから以前、取材を受けたのですが、掲載誌すら送ってくれません。これは、「行き過ぎたもうけ主義」のせいではなくて、社会のせいでしょうか。

「……」

こうやって今日も忙しい一日が過ぎてゆく。

この物語はフィクションであり(多分)、実際の人物にはなんら関係がない(多分)、と願いたい(多分)。

ちなみに、ぼくは相手が高圧的な態度でなければ、もっともインタビューしやすい人物として定評がある(これは、笑、だ)。

いや、ほんとに。

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坂口 孝則

未来調達研究所株式会社 取締役

大阪大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。未来調達研究所株式会社取締役。コスト削減のコンサルタント。『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)など著書22作。

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